コラム

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第14回 実践!リスクマネジメント
STEP10:運用の見直し、改定
〜PDCAの「A」 継続的改善を続ける〜

2012年01月06日

 前回の「リスクマネジメント運用の測定、評価」を受けて、今回は「運用の見直し、改善」です。
PDCAサイクルで見ると、前回は「C」(CHECK)、今回は「A」(ACTION:見直し、改善)になります。
マネジメントサイクルとしては最後のステップですが、これでリスクマネジメント推進が終わるわけではありません。PDCAサイクルは循環させながら、継続的改善を行い続けるものです。
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「Check : 運用状況の測定、評価)」で、社員へのアンケート、ヒアリング調査などを行うと、幾つかの問題点が洗い出されます。それらを、各種ガイドラインの見直し、業務フロー、ルールの見直し、推進体制の改善などによって解決していくのです。
いくつか具体例を示しましょう。

・ガイドラインに項目のモレがあったので、追加する。

・ガイドラインを少しゆるくする。
変更は「厳しくする」ものというイメージを持っている人は多いでしょう。しかし、過剰に厳しすぎて業務に負担が出ている、コストの大幅アップに繋がっているなどの理由から、「ゆるく」する変更もあります。もちろん、リスクの発生を勘案して適正な範囲内での変更にします。

・ガイドラインの具体化。
「個人情報のメール送信には十分留意すること」だけでは分りにくいので、「添付ファイルにはパスワードを必ず設定すること」、「送付先アドレスは必ず2回チェックする」など、具体的なルールを盛り込みます。

・社内、社外から寄せられた「問合せ」(当コラム第11回:STEP7「問合せ対応」にて説明)への回答をガイドライン、マニュアルなどに盛り込む。
必要な情報の不足、わかりにくさが「問合せ」を生んでいるのです。
  
 しかし、Checkで洗い出された問題を全て、完璧に解決しようと思っては無理が生じます。

「完璧は実行の敵」です。完璧を目指すことは、実行を阻害します。
問題点の中で、重要度、緊急度、解決のためのコスト、難易度、そして効果などを考慮しながら優先順位をつけて、解決に取り組んでください。そのようなメリハリをつけたAction(改善、見直し活動)が、リスクマネジメントの実効性を保ちながら推進を続ける秘訣だと思います。

 あるべき姿、目指す状況を100とした場合、チェックで現状が60点だったと明らかになるとします。それを100点にできなくても、80点、いえ、65点にできれば、それは前進です。当たり前のことを愚直に続ける、これが、リスクマネジメントに限らず、全てのマネジメントプロセス(全社経営、事業経営、営業改革、現場改善、コストダウン、......など)におけるコツだと思います。

 毎年1回、Check(測定、評価)とAction(改善、見直し)を行うことでリスクマネジメントに対する会社の本気度が社員に伝わります。逆に、制度、ガイドラインを作った後、何もしなければリスクマネジメントへの社員の意識は時間とともに薄れていくでしょう。
後者が、不祥事や事故などのリスクが顕在化しているほとんどの企業です。

 今回で、リスクマネジメントコラムの連載は終了となります。(番外編を少し予定していますが)
皆さまの企業でリスクマネジメントを推進する際、当コラムが少しでも参考になれば著者としてこれに勝る喜びはありません。

 長い間、ご愛読いただきまして、ありがとうございます。 

 内容についてのご意見、ご感想、ご質問など 編集部までお気軽にお寄せいただければ幸いです。すべて著者が拝読し、必要なものにはお返事いたします。

太期 健三郎
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