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知らないと危険!著作権・肖像権(その8)

2013年05月02日

■「権利」とはどのような意味でしょうか?

 「権利」という言葉がありますが、この意味をすぐに説明できる人はなかなかいません。
 でも誰でも何度かは使ったことがある言葉です。

  「私には○○の権利があるんだからこうしてくれ」とか、
  「あなたには○○の権利がありますよ」

 こんな会話を聞くことがあります。
 誰かに何かをさせたいとき、たとえば「頼む、お願いだからやってくれ」という状況では「権利」という言葉は使わないですね。

 相手がやりたくないことをやらせるとき。しかも駆け引きや人情によるのではなく、法律によって強制するような場合に「権利」という言葉が良く使われます。
 つまり「権利」という言葉は、誰かに何かを強制したい場合に、それを法律などのような「何か」が積極的に認めてくれそうな場合のことをいうのだろうと思えます。

 その「法律のような何か」のことを「権力」と置き換えてみたらスッキリすると思います。
 「私はあなたに10万円の支払いを請求する権利がある」とセリフをAさんに伝えた場合には、 
 「その10万円の支払い請求を国家権力が認めてくれるはずだし、そうなれば権力を使ってあなたに無理やり10万円を払わせることもできるんだぞ」
 ということを言いたくて、それを短い言葉で言うために「権利がある」という言葉を使うのだと考えられます。

 ではどうして国家権力が認めてくるのか?と言うと、国家権力はもっぱら法律に従って動くことになっていて、国家権力が法律に従って判断をしたら、そのような(Aさんに対し10万円を払わせるべきだという)結果が導き出されたからです。

 このように、「権利」という言葉は「権力」という存在と関係が深いのです。
 権利があるという意味は、「権力を使ってそれを実現できるような主張である」ということであり、  
 「権力が味方してくれるほどに正しい主張をしているのだよ」ということでもあり、もっと手短に言えば「正義なのだ」ということでもあります。
 この場合の正義という意味には、ウルトラマンみたいなヒーローという意味もありますが、「社会全体が納得してくれる行動かどうか」という具合に考えるとスッキリすると思います。

 ウルトラマンが怪獣と戦っているのは町の安全を守るためであり、それが社会全体として納得されるからヒーローなのです。もしウルトラマンが遊び半分で怪獣と一緒にケンカしていたなら、きっと社会全体から「早くスペシウム光線を使ってくれよ。これ以上町を壊さないでくれ!」という声があがってきて、ウルトラマンは正義のヒーローではなくなってしまいます。

 権力も同じように、正義であるために一定の条件をクリアしなければなりません。
 その第一条件は「社会全体から納得されること」であり、そのためには「憲法や国民が作った法律に従うこと」が重要な要素となります。
 そのようなルールや仕組みで権力が動いている状態を国民は「正義」であると思うし、「なんだかいい加減なことをしているなあ」と国民が思えば、それは「正義ではない」ということにもなるでしょう。
 このように、人に何かを強制するときに、それが社会全体から見て正義であれば、その状態においては「権利がある」ともいえるし、「いや、法律的にはそうではない」といったりもしますが、少なくとも「法律=正義」であるとは限らず、「法律通りのことが不正義になってしまう」という現象もよくあることで、そういった矛盾をどうにかする必要があるので、裁判所による判断の柔軟性というものが重要になってくるのだと思います。
 このあたりのことがよくご理解いただけたなら、この先の著作権の話も理解しやすくなると思います。

日野 孝次朗
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