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固定資産税(償却資産)講座
第9回:固定資産台帳作成が経営の根幹だった(9)

2017年09月28日

■続・「法人税・所得税法上の取り扱い」と「固定資産税(償却資産)の取り扱い」

 税務調査員は「法人税・所得税法上の取り扱い」と「固定資産税(償却資産)の取り扱い」をどこまで理解しているかと尋ねたら、次に「固定資産台帳は、どのソフトで組まれ、どのような資産番号の振り方をしているか」について尋ねます。その前に、よく次のような質問を受けます。

 「現在、不景気で生産ラインをストップしているような遊休資産も申告対象になる。ほかにも、すでに、償却済となった資産、これら国税は1円 (備忘価額) まで償却可能なのに、なぜ、固定資産税(償却資産)は残存価額が5%なのか。地方税はおかしくないのか」

 法人税、所得税など国税に詳しい方ほど、このような質問をされます。どうしてなのでしょうか。
 これは、固定資産税(償却資産)は、基本となる考え方が、法人税、所得税のような収益や所得を求めるものではないということなのです。つまり、固定資産税(償却資産)は、自治体からの有形無形の受益関係を基にした税金であるということなのです。

 自治体からの有形無形の受益関係。これは、なかなかわかりにくい言葉だと思います。固定資産税の土地、家屋も、同様な考えです。よくこのような説明がされます。
 「固定資産の保有と市町村の行政サービスとの受益関係に着目して、応益原則に基づき、 資産価値に応じて所有者に課する財産税(「平成26年度地方税制改正等に関する地方財政審議会意見」より抜粋)」

 これが地方税、固定資産税の位置付けなのです。租庸調などは、租税の始まりですが、固定資産税は、戦後のシャウプ勧告に基づいて、市町村の独立税として創設されたのが起源です。そして、償却資産は、事業用の土地や家屋と一体に課税客体とすることが適当との考えで課税されています。

 「経済が発展していく中で、建物に課税されるのに、隣のガスタンクのような構築物に課税されないのは、おかしいのではないか」「固定資産税が保有と市町村の行政サービスとの受益関係は、土地、家屋と同じではないか」。そのような議論もされたようです。

 しかし、この固定資産税の評価方法ですが、土地は主に「路線価方式」、固定資産税(家屋)の評価は理論上の建築価格を算出する「再建築価格」です。売買による取得価額を使用していません。
 償却資産は、申告により資産台帳を作成し、それに基づき評価額を算定されるとされています。

 具体的には、
・主に企業の持っている決算書の固定資産台帳を利用している
・所得日、取得価額、耐用年数を利用している
 この固定資産台帳を利用している償却資産の評価の流れが、そもそも国税との混同が生まれている背景かもしれません。

【参考】「シャウプ勧告と税制改正」(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/ntc/sozei/shiryou/library/19.htm

笹目 孝夫
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