月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい5月のトピックス

2018-04-27 11:45

2018.May

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●会社法改正の行方―株主提案権の制限

 2018年2月6日に法制審議会の会社法制部会から「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」が報告されました。
 最近の株主総会では、一人の株主が膨大な数の議案を提案する等の株主提案権の行使が株主総会の機能を阻害しており、中間試案は株主提案権を数的に制限する案を明記しました。すなわちA案は取締役会設置会社における議案の提案につき、5を超えることができないとする考え方です。これは、役員および会計監査人の選任議案が制限に含まれ、選任される役員等の人数にかかわらず一つの議案と数えるA1案と、選任議案を含まないA2案に分かれています。他方、B案は提案数について10を超えることができないとする考え方であり、上記と同様にB1案とB2案に分かれています。
 また、「株主がもっぱら人の名誉を侵害し、または人を侮辱する目的で株主提案を行う」「株主がもっぱら人を困惑させる目的で株主提案を行う」「株主がもっぱら当該株主または第三者の不正な利益をはかる目的で株主提案を行う」「株主提案により株主総会の適切な運営が妨げられ、株主の共同の利益が著しく害される恐れがある」ときには、株主提案権が認められないこととしています。
 加えて、株主提案権の行使要件のうち、300個以上の議決権という持株要件および行使期限の見直しは、なお検討するとしています。

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●テレワークのガイドライン

 厚生労働省は、テレワークに関するガイドラインを公表しました。おおむね従来からの基本的事項が確認されていますが、次の3点には注意が必要でしょう。
(1)テレワークは、移動時間中であっても情報通信機器を用いて業務を行うことが可能であるため、通勤時間であっても会社の指揮命令下で行われる場合は労働時間となる。
(2)長時間労働対策として、時間外・休日・深夜における上司からのメールの制限およびシステムへのアクセス制限、加えて、時間外・休日・深夜労働を原則禁止し、許可制として就業規則に明記することが有効である。
(3)費用の負担として、テレワークに要する通信費や、もっぱら会社への出勤を要しない従業員が出勤する場合の交通費について、従業員が負担するか否かを事前に労使で十分に話し合い、就業規則に定めておくことが望ましい。

●2019年の国民の祝日

 2018年2月1日付の官報で2019年の国民の祝日が公表されました。「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」により、天皇誕生日は現在の12月23日から2月23日に改められます。法律の施行日は、2019年4月30日となっていますが、施行日の時点で2月23日を過ぎているため、2019年は「天皇誕生日が祝日ではない」という異例の年になります。

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●労働保険料の損金算入時期

 法人が納付する労働保険料の損金算入時期は、次の通りです。
(1)法人が負担すべき概算保険料:労働保険料申告書を提出した日、またはこれを納付した日の属する事業年度の損金の額に算入します。
(2)法人が負担すべき確定保険料に係る不足額:労働保険料申告書を提出した日、または納付した日の属する事業年度の損金の額に算入します。ただし、当該事業年度終了の日以前に終了した保険年度の不足額については、労働保険料申告書の提出前であっても、未払金に計上することができます。
(3)確定保険料に係る超過額:法人が負担すべき概算保険料の額に係る部分の超過額については、労働保険料申告書を提出した日の属する事業年度の益金の額に算入します。

●契約社員等への慰労金について

 無期労働契約への転換等に伴い、非正規社員に対して慰労金を支給した場合、その慰労金が税務上の「給与所得」と「退職所得」のいずれに該当するかは支給実態により判断することになります。「退職所得」の判断基準は、次の通りです。
(1)退職(勤務関係の終了)という事実によって初めて給付される。
(2)従来の継続的な勤務に対する報償ないしその間の労務の対価の一部の後払いの性質を有する。
(3)一時金として支払われる。

『月刊総務』2018年5月号P7より転載