産休・育休中の業務フォローに「サンキュー手当」同僚やチームに賞与を再分配 大和リースの新制度
大和ハウスグループの大和リース(大阪府大阪市)は12月12日、育児休業者の仕事を代わりに支えた従業員に、賞与を再分配する制度を導入したと発表した。
育休取得者の心理負担軽減 職場の納得感や一体感もアップ
2023年の年末賞与より導入した「サンキューペイ制度」は、育休取得者へ支払う予定であった賞与原資を、同僚やチームへ再分配する仕組みだ。正社員のほか契約社員などを含む、全従業員が支給対象。
フォローする従業員へ相応の手当を支給することで、育休希望者が抱える同僚への気兼ねを和らげ、育休が取得しやすい環境を醸成。結果として、職場全体の納得感と一体感を高める効果があると想定している。
代替え要員の補充や業務量の軽減措置がない場合などに適用
「サンキューペイ制度」は、以下を全て満たした場合に適用される。
- 育休中に、代替え要員の補充がない
- 部門全体の業務量などに軽減措置がない
- 育休取得の合計日数が15日以上(2024年度以降は30日以上)
育休取得者の性別は問わない。同制度において同僚(複数名も可)に再分配されるのは、賞与額を決定する1つの要素である「出勤率」により減算された額。
対象となるのは主に「6か月程度の中期休業」や「断続的な分割休業」または「後任が正式着任するまでの支援」。対象期間は原則、子が1歳に達するまでの間(1年間)で、1年を超える程度の長期休業になる場合は、後任の配置を基本とする。
ネーミングには、育休取得者から同僚への「感謝(Thank you)の気持ち」と、同僚から育休取得者への「産休(さんきゅう)応援」の意味を込めた。
男性の育休取得一時金もアップ 育休をスムーズに取得できるよう、業務や同僚への影響も配慮
制度設定の背景には、育休取得者が担当していた業務について、一定期間、同僚が引き継ぐことで実務を支えている実態がある。育休中に職場を支えている従業員に報いる施策として新設した。同社では4月より、子供が生まれた従業員に支給する一時金「エンジェル奨励金」の支給基準を見直し、男性の育児休業取得日数に応じて支給額を最大100万円に増額するなど、男性育休の中長期取得を推奨している。
育児・介護休業中の業務を支えるメンバーに、独自の手当を支給する企業が出てきている。三井住友海上火災保険(東京都千代田区)は、2023年7月から「育休職場応援手当(祝い金)」の制度を導入。従業員が育児休業を取った場合、職場の同僚全員に最大10万円の一時金を支給するもので、「職場の規模」と「育休の取得予定期間」に応じて金額が決まる仕組みだ。
また、2022年10月より育児休業中の社会保険料の免除制度が改正されており、賞与にかかる社会保険料については免除の要件が厳格化されているので留意したい。
同発表の詳細はこちらで確認できる。
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