総務のマニュアル職場における「見えない障がい者」支援

職場における内部障がい者への配慮

株式会社 自分楽  代表取締役 崎山 みゆき
最終更新日:
2023年02月16日
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ここでは、内部障がい者に対する職場における配慮の仕方について、ハード・ソフトそれぞれの面から見ていきましょう。

内部障がい者の悩み

さまざまな配慮を考える前に、まず内部障がい者の方たち特有の悩みを知ることが必要です。「見た目からわからない」ということに起因します。知らずに施策を講じると、企業側の押し付けになってしまいます。ここで、内部障がいを抱えながら働く当事者の声を紹介します。制度を整える前に、内部障がいに対する認知度や理解度を上げることが必要です。

内部障がいを抱えながら働く当事者の声

  • 「障がいがある」と、仕事上の評価を低くされた。
  • 市役所で障がい者採用の願書をもらうことができなかった。
  • 体調が悪くなったときに上司に相談したところ、理解してもらえず、心不全が重症化して入院・休職した。
  • 内部障がいの易疲労を理解してもらえない。
  • 外見からわからないので、健常者と同等に仕事をするように要求される。
  • 就労を希望する際に、企業側から「心臓病の人は怖いから」と断られた。
  • 職場で身体に負担のかかる仕事を断ると、「障害者手帳という印籠があるからいいよね」と嫌味をいわれる。
  • 階段をゆっくり上ると、嫌な顔をされる。
  • 見た目がなんともないため「車いすマークの駐車場を使うな」と怒鳴られた。
  • 小腸機能障害で障がい者用のトイレを使っていたら「車いすでないのに、使うな」といわれた。
  • オストメイトだが、トイレ使用時に「長い」と大きな声で怒鳴られた。
  • 身体の状況に合う仕事をしたい。変えてもらいたいが、ポジションがない。
  • オストメイトなので、お客さまに納品するとき障がい者用の駐車場に止めたところ「ここは障がい者用のなのだから、業者さんは止めないでください」といわれ、会社にもクレームの電話を入れられた。その場で理由をいいたかったが、外見が元気であり相手がお客さまなので、いい返すことができなかった。
出所:「内部障害者の生活に関するアンケート調査報告書『内部障害者の生活実態』(2015年12月)」(長崎大学シーボルト校 吉田 恵理子、永峯 卓哉/特定非営利活 動法人 ハート・プラスの会 白井 伸代、鈴木 英司、清水 克俊)

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著者プロフィール

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株式会社 自分楽  代表取締役
崎山 みゆき

一般社団法人 日本産業ジェロントロジー協会代表理事。両立支援コーディネーター。2021年より内部障がいのため、障害等級1級。2000年より大学院にてジェロントロジーを学び、中高年のキャリア開発に取り組む。産業ジェロントロジーの第一人者。内閣官房、東京都などで講師、研修企画に従事。日本放送協会、テレビ東京、産経新聞など取材多数。著者に『シニア人材マネジメントの教科書』(日本経済新聞出版社)、『60歳新入社員の伸ばし方、活かし方』(労働調査会)、『ジェロントロジーで学ぶ 40代、50代からの働き方』(日経BP)などがある。

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