
1ヶ月のアクセスランキング
高齢化社会が進んでいる今、「中途障がい」で職場に復帰する人は少なくなく、職場の支援が求められています。特に難しいのが、見た目では障がいがわからない「内部障がい者」に対する配慮です。ここでは、内部障がい者とはどのような人たちのことか、事例を交えて紹介していきます。
内部障がいの種類とその特徴
「内部障がい」という言葉をご存じでしょうか。体の内部にある障がいのことです。内部障がいがある方たちは「見えない障がい者」ともいわれ、周囲からの理解や支援を得られにくいという問題を抱えています。世界保健機関(WHO)により提唱された国際障害分類試案の機能障害の一つに属し、心臓、呼吸、腎尿路、消化など内部機能障害の総称と定義されています。わが国の身体障害者福祉法では、心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器機能障害、肝臓機能障害、ぼうこう・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害の7つを内部障がい(内部機能障害)と規定しています。図表1がこれらの特徴です。
図表1:内部障がいの特徴
心臓機能障害 | 全身に必要な血液を送り出す心臓の機能が低下した状態。心臓の収縮のリズムが不規則な人は「ペースメーカー」という医療機器を胸部に埋め込んでいる。不整脈の対策としては、突然起こった心室頻拍や心室細動を自動的に感知し、電気ショックを与えることで心臓の動きを正常に戻す「ICD」という医療機器を装着することがある。 |
---|---|
腎臓機能障害 | 病気により腎臓の働きが悪くなった状態。体に有害な老廃物や水分を排せつすることができなくなり、不必要な物質や有害な物質が体の中に蓄積してしまう。 |
呼吸器機能障害 | 肺の機能が低下したことにより、酸素と二酸化炭素の交換がうまくできなくなる状態のこと。呼吸器機能障害のある方の中には、酸素吸入するために、常に酸素ボンベを携帯している人もいる。 |
肝臓機能障害 | さまざまな原因により、肝臓の機能が低下した状態のこと。それにより、 |
ぼうこう・直腸機能障害 | 尿をためるぼうこう、便をためる直腸が、さまざまな病気のため機能低下または機能を失った状態のこと。排せつ物を体外に排せつする「ストーマ」という人工肛門・人工ぼうこうを造設することがある。ストーマを装着している人を「オストメイト」という。 |
小腸機能障害 | 小腸の広範囲に及ぶ切除や病気によって、小腸の機能が不十分になった状態のこと。消化吸収がうまくできず、通常の経口摂取では栄養維持が困難な方もいる。食事制限を受けている場合もある。 |
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害 | HIVウイルスに感染すると、白血球の一種であるリンパ球が破壊され、免疫機能が低下する。そのため、発熱・下痢・体重減少・全身倦怠感などが現れる。特定の病状が現れるとエイズ(後天性免疫不全症候群)の発症となる。 |
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。