社内における総務部門の存在感を高めるために必要なこと。それは、マーケティング部門が行っているような戦略的なブランディングだ。現在のポジションを把握し、想定する姿との
取材・文◎武田 洋子
ブランディングで交渉・説得のコストが下がる
執行役員 経営戦略室 CMO
黒澤 友貴さん
1988年生まれ。「日本全体のマーケティングリテラシーを底上げする」をミッションに、1万人近くのマーケターが集まる学習コミュニティー「#マーケティングトレース」を主宰。2020年2月に書籍『マーケティング思考力トレーニング』(フォレスト出版)を上梓。
総務部は、なかなか脚光を浴びにくい部署だ。社員から感謝される機会は少なくないが、「何か不便なことが起きたときの窓口」「雑務」のイメージが強く、組織全体で見ると影が薄い。総務担当者に控えめなタイプが多く、自らを売り込むことが得意でない傾向(図表1)も、曖昧な印象に拍車を掛けるのだろう。しかし総務部はどの企業にとっても、なくてはならない部署であるはずだ。もっと強く存在感を押し出すことはできないものか。
ブランディングテクノロジー株式会社の執行役員である黒澤友貴さんは、「総務のブランディング」という選択肢に可能性を感じている。各社が力を注ぐブランディングを、社内向けにも応用するのだ。そもそも、企業がブランディングを重視するのには、理由がある。
「ブランディングの最大の効果は、交渉・説得のコストを下げられることです。ブランディングができているとは、信頼資産が積み上がっている状態です。そうすると何が起こるかというと、セールスの場において他社の製品やサービスとの比較検討がされにくくなるのです。あらかじめその企業のブランドを信頼している顧客は、細かい機能や契約条件などにさほどこだわりません。企業側としては交渉や説得の手間が省けるため、そこにかかるコストを大幅に削減できるわけです」
この効果を社内に置き換えてみよう。信頼資産があると「仕事がやりやすくなる」と、黒澤さんは断言する。経営上層部や他部署に対して要望が通りやすくなるからだ。副次的に、希少で高評価を得られる仕事が回ってくる機会も増えるだろう。
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