総務ブランディングのススメ

社内ブランディングで存在感を増す総務へ 認知度・好意度・愛着度を上げてもっと仕事をしやすく

月刊総務 編集部
最終更新日:
2022年04月13日
soumu20220413000

社内における総務部門の存在感を高めるために必要なこと。それは、マーケティング部門が行っているような戦略的なブランディングだ。現在のポジションを把握し、想定する姿との乖離かいりを埋めていく過程は、綿密な市場調査と分析で戦略を練るマーケティングと同じである。『マーケティング思考力トレーニング』(フォレスト出版)の著者、黒澤友貴さんに、総務のブランディングについてうかがった。

取材・文◎武田 洋子

ブランディングで交渉・説得のコストが下がる

ブランディングテクノロジー株式会社 執行役員 経営戦略室 CMO 黒澤 友貴さん
ブランディングテクノロジー株式会社
執行役員 経営戦略室 CMO
黒澤 友貴さん

1988年生まれ。「日本全体のマーケティングリテラシーを底上げする」をミッションに、1万人近くのマーケターが集まる学習コミュニティー「#マーケティングトレース」を主宰。2020年2月に書籍『マーケティング思考力トレーニング』(フォレスト出版)を上梓。

総務部は、なかなか脚光を浴びにくい部署だ。社員から感謝される機会は少なくないが、「何か不便なことが起きたときの窓口」「雑務」のイメージが強く、組織全体で見ると影が薄い。総務担当者に控えめなタイプが多く、自らを売り込むことが得意でない傾向(図表1)も、曖昧な印象に拍車を掛けるのだろう。しかし総務部はどの企業にとっても、なくてはならない部署であるはずだ。もっと強く存在感を押し出すことはできないものか。

ブランディングテクノロジー株式会社の執行役員である黒澤友貴さんは、「総務のブランディング」という選択肢に可能性を感じている。各社が力を注ぐブランディングを、社内向けにも応用するのだ。そもそも、企業がブランディングを重視するのには、理由がある。

「ブランディングの最大の効果は、交渉・説得のコストを下げられることです。ブランディングができているとは、信頼資産が積み上がっている状態です。そうすると何が起こるかというと、セールスの場において他社の製品やサービスとの比較検討がされにくくなるのです。あらかじめその企業のブランドを信頼している顧客は、細かい機能や契約条件などにさほどこだわりません。企業側としては交渉や説得の手間が省けるため、そこにかかるコストを大幅に削減できるわけです」

この効果を社内に置き換えてみよう。信頼資産があると「仕事がやりやすくなる」と、黒澤さんは断言する。経営上層部や他部署に対して要望が通りやすくなるからだ。副次的に、希少で高評価を得られる仕事が回ってくる機会も増えるだろう。

続きは「月刊総務プレミアム」をご契約の会員様のみお読みいただけます。

  • ・付加価値の高い有料記事が読み放題
  • ・当メディア主催の総務実務の勉強会や交流会などのイベントにご優待
  • ・「月刊総務デジタルマガジン」で本誌「月刊総務」も読み放題
  • ・本誌「月刊総務」も毎月1冊、ご登録いただいたご住所にお届け
  • ・ノウハウ習得・スキルアップが可能なeラーニングコンテンツも割引価格でご利用可能に

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

g-soumu-editors-portrait-webp


月刊総務 編集部

パンデミック、働き方の変化、情報技術への対応など、今、総務部門には戦略的な視点が求められています。「月刊総務オンライン」は、そんな総務部門の方々に向けて、実務情報や組織運営に役立つ情報の提供を中心にさまざまなサービスを展開するプラットフォームです。


関連記事

  • 「働きがいのある会社」トップ企業のハイブリッドワークの形 戦略総務を実現できるデバイスとは? PR
  • コスト削減だけじゃない! 働き方が変わり、コミュニケーションも生まれる「照明」のすごい効果 PR
  • 災害への備えは平時から。企業の防災担当者を強力にサポートする東京都のサービスとは PR

特別企画、サービス