総務の引き出し(ハラスメント)

総務が一次対応者になることも。従業員を守るために管理部門が整えておくべきカスハラ対応体制は?

株式会社エス・ピー・ネットワーク 総合研究部 専門研究員 森田 久雄
最終更新日:
2025年07月25日
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2025年4月1日より、北海道、東京都、群馬県でカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)防止条例が施行されました。「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)」でも改正によりカスハラ対策が義務化されることが6月4日に参院本会議で可決・成立し、2026年度中には施行される見込みです。このように、行政主導によるカスハラ対策義務化が本格的に動き出していますが、なぜ、このような動きが見られるのでしょうか? 顧客対応の最前線では思いもよらない不当要求や、あきれたカスハラが横行している現実があるからです。いくつか紹介してみましょう。

顧客対応の最前線ではこんなことが……

飲食店では、「自分よりあとに入店した客の方に料理が先に出た。なぜだ? 差別しているのか?」などのケースがよく発生します。料理を提供された際に文句をいい、会計の際には料理の提供が遅れたとして無償化を要求する……。そして、自身のわがままな要求を通すため、怒鳴る、騒ぐ、脅すなど、決してレアケースではありません。

あとから来店したお客さまと同じ料理を頼んでいて、自身が後回しにされたのであれば、クレームをいいたくなる気持ちもわからなくはないですが、それぞれの料理は調理時間が違いますので、順番が前後しても致し方ないことです。それにもかかわらず、このようなささいなことで、ほかのお客さまも見ている前で怒鳴り散らし、「今すぐ土下座して謝れ!」などという人も決して少なくありません。

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プロフィール

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株式会社エス・ピー・ネットワーク 総合研究部 専門研究員
森田 久雄

2002年に株式会社エス・ピー・ネットワーク入社。不当要求対応、反社会的勢力対応などの実践対応に従事したあとに、実践対応のセミナーを担当。セミナーの依頼は多いときで年間100本を超える。現在は、危機管理の視点よりリスクおよびクライシスに関するさまざまな事案のアドバイスを行う傍ら、不当要求(カスハラ)やコンプライアンスを中心に講演活動を行う。警備員指導教育責任者資格4号保持。

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