多様性ある企業に必要な制度・取り組みとは? 「D&Iアワード2023」受賞企業事例まとめ

月刊総務 編集部
最終更新日:
2023年12月14日
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ダイバーシティ&インクルージョンに取り組む企業を認定する「D&I AWARD 2023」の受賞企業が、12月13日に発表された。同アワードでは、独自の評価指標「ダイバーシティスコア」の下、企業のD&Iの取り組みを採点し、スコアに応じて認定を授与する。

3回目となる今回は、563社(グループ連名含む)を認定。ダイバーシティスコアの高い企業の中から、D&Iのロールモデルとなる取り組みを展開する企業として、5社が「D&I AWARD大賞」に、10社が「D&I AWARD賞」に選ばれた。

研修や勉強会などを通じて丁寧な対話を行い、職種ごとの課題を解決する

「D&I AWARD大賞」チャレンジャー企業部門を受賞したのは、大東建託(東京都港区)。同社のD&I推進は、自社の課題にとことん向き合い、課題に即した施策を実施している点が特徴だ。他社の取り組みをそのまま模倣するのではなく、自社固有の課題を特定することに注力し、以下のような取り組みを実施している。

建設業界初の女性管理職「クォータ制」を導入

同社は、女性管理職の育成・登用に向けて、管理職層が自ら優秀な女性社員を見つけ出し、社員の不安を解消しながらリーダーを育成する「女性活躍プログラム」を2021年に開始した。「クォータ制」はこのプログラムの一環である。各職種ごとに女性管理職の目標数(3年後必達の数値)を設定したほか、昇進要件である研修の対象者選抜において、女性の割合を計画的に増やした。

また、役員層を巻き込んで結成した「女性活躍推進委員会」の下、経営層を含むリーダーが集まり、女性社員をどのように支援するか、またどのような教育プログラムが必要かを議論し、具体的なアクションに移した。

大東建託では階層ごとに段階的に多数の研修を用意し、昇進をハードルだと感じる女性特有の謙遜感情や不安を払拭できるよう意識改革に努めている
大東建託では階層ごとに段階的に多数の研修を用意し、昇進をハードルだと感じる女性特有の謙遜感情や不安を払拭できるよう意識改革に努めている

この結果、2020年4.5%だった女性管理職比率は、2023年には5.6%まで上昇するなど、着実な変化が見られた。

女性だけではなく、「全員活躍」を目標に掲げD&Iを推進

同社のD&I取り組みは、トップダウンの女性活躍やジェンダーギャップ解消にとどまらない。ファミリーシップ制度の整備やトランスジェンダー社員向けのビジネスネームの使用許可などの取り組みのほか、アライ社員を募り勉強会を開催する。

また、在留資格のある特定技能外国人のサポートとして、外国人就労管理アプリ「My iD(マイディ)」を活用し、日本における生活の悩みや相談に対応している。同アプリは英語・ベトナム語・インドネシア語の3言語対応で、同社社員が回答する。3か月ごとには面談も実施し、メンタルヘルスのサポートも行う。

中小・スタートアップからも選出、現場社員によるD&I推進など独自の取り組みを評価

同アワードでは、中小企業・スタートアップ企業を対象とした部門が設けられている。大手企業や他社ではあまり見られない個性的な取り組みが高い評価を受けた。

トップダウンではなく、みんなでD&Iを学び実践する

「D&I AWARD大賞」中小企業部門を受賞したPIVOT(東京都渋谷区)は、トップダウンによるD&I推進ではなく、現場の社員から担当者を選び、取り組みを進めている。

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