テロの脅威から選挙関連の治安不安まで 2024年版・地政学リスクとして注視すべき国と安全対策

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前回「時差ぼけ、気候の影響も見逃せない! 多国籍企業のBCP成功のカギはウェルネスプログラムにある」では地政学リスクBCP(事業継続計画)における医療の重要性についてお伝えしました。今回は、2024年特に地政学リスク的に注視しておきたい国・地域とともに、事件・事故に巻き込まれないための具体的な対策について解説していきます。
「Wrong Place, Wrong Time」を知っていますか?
みなさんは「Wrong Place, Wrong Time」という英語を聞いたことがあるでしょうか?
「Be in the wrong place at the wrong time」 ―― つまり事件・事故の現場に(運悪く)居合わせてしまうことをいいます。たとえば「出張先の観光名所で食事中、目の前で突然無差別銃撃が発生した」「駐在先で外出中、選挙運動中の与野党支持者が衝突する騒乱に巻き込まれた」といった状況です。この「Wrong Place, Wrong Time」の全てを避けることは難しくても、被害に遭う可能性を減らす手立てはあります。
第1回「専門部署がない場合は「最悪の事態」にどう備えるのか? 日本企業における海外危機管理・3大課題」で2024年は選挙の年と記しました。選挙関連の治安リスクとしては、集会や抗議活動が暴力を伴う騒乱になったり、治安部隊との衝突が発生した際に近くにいて巻き込まれたりという可能性が考えられます。その場合、Wrong Placeは集会や抗議活動が発生しやすい場所、たとえば大きな広場や、行政・立法府などの政府関連施設、治安部隊関連施設です。Wrong Timeは選挙運動期間中、緊張が高まりやすい投票日、そして選挙結果に対しての抗議活動などが行われる開票後の一定期間という注意を要する時期です。
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