総務のマニュアル
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世界へ渡航・出張する従業員の健康・安全を守る 地政学リスク対策ナビ
時差ぼけ、気候の影響も見逃せない! 多国籍企業のBCP成功のカギはウェルネスプログラムにある
インターナショナルSOS リージョナル メディカル ディレクター アシスタンス サービス ジャパン ストッカー ウベ
インターナショナルSOS シニアコーディネーティングドクター 医師 湯井 真紀子
最終更新日:
2024年03月18日

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地政学リスクにおけるBCP(事業継続計画)策定の考え方と2024年リスクの高い国・地域について紹介する本シリーズ。今回は、地政学リスクBCPにおける医療の役割についてお伝えします。
コロナ以降BCPにおける医療の重要性が広まる
世界中で予期せぬ混乱と不確実性が生じている現在、BCPがますます注目されています。BCPは戦略的なリスク管理において重要な役割を果たします。しかし、危機的状況下でのレジリエンス(回復力)を強化する上で、多くの組織はBCPにおける医療という要素の重要な役割を見落としています。質の高い専門家による医学的アドバイスを利用できない組織では、BCPの重要性が軽視される可能性があります。またコストを理由に、BCP策定のための医療専門家への相談が遅れたり省略されたり、ということも多いようです。医療の専門知識をBCPに有効活用することで、それが管理コストではなく、組織の財務的・戦略的投資だと認識していただけるでしょう。
帝国データバンクの2021年の調査によると、日本企業1万1242社のうちBCPを整備している、と回答したのは18%未満でした。COVID-19のパンデミック後の世界における包括的なBCPの策定は、戦略的リスク管理の基本であるという考え方が広まりました。これは、地政学的・経済的要因により、さらに予測不能になっている世界の状況とも一致しています。
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