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専門部署がない場合は「最悪の事態」にどう備えるのか? 日本企業における海外危機管理・3大課題

インターナショナルSOS リージョナル セキュリティ ディレクター ノースアジア 福間 芳朗
最終更新日:
2024年03月11日
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近年、ウクライナ侵攻、ガザ紛争、台湾有事、COVID-19などの地政学リスクが顕在化しています。企業はそうしたリスクを想定し、事業継続はもちろん、常に海外へ渡航や駐在する従業員の安全を確保しなければなりません。本稿では、地政学リスクにおけるセキュリティ面・医療面それぞれのBCP(事業継続計画)策定の考え方と、2024年リスクの高い国・地域とその渡航・駐在の注意点について3回に分けて紹介します。

地政学的な脅威と治安への懸念

インターナショナルSOSが、リスク管理の責任者などに対してグローバルに実施した調査「リスク展望2024」では、実に74%が「地政学的な脅威」や「政情不安」が従業員の活動に影響を及ぼすと回答し、38%が「それらの脅威に対応するための準備ができていない」と回答しました。

図表:地政学的な脅威~不確実性の増大~

出所:インターナショナルSOSセミナー「渡航再開後1年で見えてきた必要なリスク管理とは―医療とセキュリティの観点から」資料
(※画像クリックで拡大)

100年に1度といわれるパンデミックがやっと去ったのもつかの間、今は地政学的な脅威が不安要素となっています。現在も続くウクライナ・ロシア紛争による全世界的な社会・経済上の影響は広範囲にわたり、また2023年10月から激化したイスラエル・パレスチナにおける武力衝突は残念ながら出口が見えぬまま継続、こちらもその影響範囲は中東だけにとどまらず、世界各地に抗議活動やテロという形で広がっています。

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著者プロフィール

y-fukuma

インターナショナルSOS リージョナル セキュリティ ディレクター ノースアジア
福間 芳朗

2012年インターナショナルSOSグループに入社。2016年~2023年シンガポール本社でアジア太平洋地区のセキュリティサービスチームの統括責任者を務め、平時における各国・都市・地域のリスクに関するアドバイスから、有事においては有事対応オペレーションを指揮(2016年バングラデシュ テロ事件、2019年スリランカ連続爆破テロ、その他自然災害、行方不明者事案など多数)。2023年より現職。企業に対する海外危機管理とクライシスマネジメントのコンサルティングや研修、海外現地のセキュリティサーベイや緊急退避計画のコンサルティングなどを行う。

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