総務のマニュアル
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退職者の声で組織の課題を明確にする エグジットインタビューのすすめ
会社の未来を変えるのは「退職者の本音」? 今注目される「エグジットインタビュー」の3つの効果
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HRアセスメントソリューション統括部 主任研究員 飯塚 彩
最終更新日:
2025年09月16日

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「人が辞める理由」は、給与や待遇だけでは測れない複雑な心情と結び付いています。それゆえ、離職に至った本当の理由は、企業側に十分に共有されないまま終わってしまうことが少なくありません。近年、この「本当の理由」を把握して未来に生かそうと、「エグジットインタビュー(退職時面談)」を導入・強化する企業が増加しています。そこで本企画では、エグジットインタビューが増えている要因から、具体的なインタビューの進め方、インタビュー結果の活用方法まで3回に分けて解説。初回となる今回は、増加の背景とともに、エグジットインタビューの目的や特徴、導入のメリットなどについて紹介します。
なぜ今、エグジットインタビューが重視されているのか?
エグジットインタビューを導入・強化する企業が増加している背景には、大きく以下のような3つの構造的な変化があります。
変化1:離職理由の多様化・複雑化
個人の価値観の多様化、転職の一般化、副業解禁など、働くことを取り巻く環境は劇的に変化しています。そうした中、表面的に語られる「キャリアアップ」や「家庭の事情」という退職理由の意味合いも、これまでに比べて多様化・複雑化していると考えられます。
変化2:定着・離職防止の重要性の高まり
労働力人口の減少により人手不足が深刻化し、企業にとって従業員の定着・離職防止はますます重要な課題となっています。その打ち手の一つとして注目されているのが、退職者から情報収集を行い、次なる退職の防止に生かすことです。また、離職率・定着率は人的資本の情報開示において「人材の流動性」を示す指標となっており、投資の面からも重要性が増しています。
変化3:アルムナイ(退職者)ネットワークの広がり
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