総務のマニュアル戦略総務のための伝わりやすいプレゼン資料の作り方

「YES」といわせることがゴールではない 総務の戦略性を宿す、社内向けプレゼン資料作成の極意

Null Japan株式会社 代表取締役 高村 勇太
最終更新日:
2025年06月16日
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オフィスリニューアルや制度変更、新しいシステムの導入など、総務部門が企画を社内で説明・提案する機会は年々増加しています。特に戦略総務として社内の意思決定を促す場面では、単なる情報共有ではなく、「相手に納得してもらう」ためのプレゼンテーション(プレゼン)が求められます。 そのためには、プレゼン資料の構成が非常に重要です。今回は「社内向けのプレゼン資料」をテーマに、社内での理解・共感・決裁を引き出す構成の考え方を解説します。

社内向けプレゼンの特徴

相手は「社内の関係者」だからこその難しさ

社内向けプレゼンの最大の難しさは、「相手との距離感」にあります。聞き手は同じ会社で働く仲間であり、上司や他部署のメンバー、あるいは過去に意見が対立したことのある人物かもしれません。こうした関係性の近さゆえに、相手の感情や思惑がプレゼンの受け取り方に大きく影響します。

さらに、社内には「暗黙の前提」が多く存在します。

  • 「この提案は、以前も却下された内容じゃないか」
  • 「現場の負荷が見えていないのでは?」
  • 「この人の部署だから、自分たちには関係ない」

こうした無言のバイアスを乗り越えるためには、相手の立場や記憶、組織文化を事前に想定し、それに配慮した構成が求められます。たとえば、過去の経緯をあえて冒頭で触れた上で、「今回は条件や体制が整っているため再提案に至った」といった説明を入れることで、納得感を高めることができます。

また、社内プレゼンでは「聞いて終わり」ではなく、そのあとに「一緒に仕事をする」という文脈がついて回るため、相手との関係性を損なわずに進める配慮も重要です。結論を押し付けるのではなく、相手の懸念に寄り添うような構成で合意形成をはかるのが、戦略総務に求められるスキルです。

たとえば、業務フローを変える提案をしたい場合、「今のやり方でも問題ない」と思っている人をどう納得させるかが鍵です。つまり、事実の提示だけでなく、プレゼンそのものに「共感」や「理解しやすさ」が求められるのです。

社内プレゼン=「合意形成」のプロセス

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プロフィール

y-takamura

Null Japan株式会社 代表取締役
高村 勇太

プレゼン資料クリエイター/プレゼン資料の専門家。マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)認定。武蔵野美術大学卒業後、東京都港区赤坂の設計事務所にてプレゼンテーション業務に従事。数億円のオフィスビルから数百億円の都市開発事業などの提案書およびプレゼンテーション資料の作成を手掛ける。2016年より会社を設立し、2018年よりマーケティング、セールスライティングを取り入れたプレゼンテーション資料制作、コンサルティング事業を開始。現在はプレゼンテーション資料を中心に広告やチラシ、営業資料などさまざまな資料を手掛けているほか、資料制作講座を開き、資料制作の方法なども伝えている。著書に『直感で伝わる!プレゼン資料は見た目が9割』(青春出版)がある。
Null Japan株式会社HP:「プレサポ

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