企業成長のカギを握る 副業人材の活用

副業人材のスキルで山積する課題に次々と着手――八方尾根開発株式会社

月刊総務 編集部
最終更新日:
2021年11月10日
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経済産業省関東経済産業局における地域中小企業・小規模事業者の人材確保支援等事業の一環として発行された『外部人材活用ガイダンス(令和元年度)』にも掲載されている八方尾根開発株式会社。副業人材活用の経緯や効果などについてうかがった。

取材・文◎宮本 優子

副業人材活用支援会社との出合い

八方尾根開発株式会社は、白馬八方尾根スキー場や白馬八方温泉の運営を行い、今年で62年目を迎える。「八方尾根」と聞いて心躍る人も少なくないだろう。良質な雪と自然に囲まれ、新型コロナウイルス感染症が拡大する以前は、インバウンドの高まりにより活況を帯びていた。その一方、地方都市の企業にとって、専門性の高い優秀な人材の採用はかなりハードルが高い。専務取締役の丸山直樹さんは「優秀な人材は常に探している」と話す。

八方尾根開発株式会社 専務取締役 丸山 直樹さん
八方尾根開発株式会社 専務取締役
丸山 直樹さん

「私たちローカル企業では給与水準がネックとなり、なかなか希望する人材と巡り合えないのが悩みです。そんなときに、メインバンクの担当者から、『大都市と地方の人材シェアリングサービス』を始めたばかりのJOINS株式会社を紹介されました」

JOINSは代表である猪尾愛隆さんが、地域企業の人材不足に大きな問題意識を持ち、大都市から地域へ人材が流動化するための仕組み作りのために2017年に創業したベンチャー企業だ。八方尾根開発の代表取締役・倉田保緒さんと面談した猪尾さんは、「隗かいより始めよ」の故事そのままに、自身が副業人材の第1号として契約したという。八方尾根開発は株式会社スノーピークとグランピング事業に着手したタイミングであったこともあり、猪尾さんは立ち上げスタッフとして参加。現在も、グランピング事業やマーケティング分野のスタッフとして稼働している。

また、猪尾さんが同社のプロジェクトに参画したことで、ZoomやSlackなどのITツールを次々に導入。現在では、それが社内のスタンダードとしてすっかり定着した。

その後もJOINSを通じて業務改善、ITツールの刷新、人事評価制度、法務など、専門性の高い分野で副業人材を受け入れることとなった。形式は業務委託。契約する人材はオンライン面談で候補を2人程度に絞り込み、最終的には同社のオフィスで直接面談をして決定する。

「候補者の方々は、いずれもすばらしい経歴の持ち主。最後の決め手は人柄やコミュニケーション能力、白馬に足を運んで一緒に会社を良くしようという熱意でした」

同社がこれまで契約した副業人材は、大半が50歳代前半の関東圏にある大手企業管理職経験者だ。1か月から3か月をお試し期間とし、その後、本契約とするか否かを決定(現在は1か月契約で毎月解約可能な方式に変更)。月30時間程度、平日日中のリモートワークを原則として、社内の課題の中から解決してほしいテーマを明確にして取り組んでもらったという。

「副業を選択する人は、収入面だけでなく、地方再生の支援をしたいとか、マネジメントではなく現場でもう1度仕事をしたいといった思いが強いと感じます」

たとえば大手IT企業で勤務しながら、2018年から2年間、同社で活躍したAさんは、まさに「自分の経験を生かし、地方を活性化したい」との思いで同社の一員となった逸材だ。手始めに、業務のフロー化による業務改善に着手したが、これは導入した手法が同社の組織にフィットせず、結果的にうまくいかなかったという。

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