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副業人材の活用においては、「労務管理の煩雑さ」が大きな懸念材料の一つだろう。現状、副業人材の受け入れは業務委託契約がメインだが、業務内容によっては雇用契約を選択すべき場合もある。雇用契約で副業人材を受け入れる場合のポイントについて紹介する。
副業に関する直近の法改正など
ここ数年で副業に対する考え方がどんどん変わってきており、それに合わせて法改正やモデルケース改定が頻繁に起こっています。最初に、労務管理上チェックすべき、直近発生した5つのポイントをおさらいしていきます(図表1)。

まずはモデル就業規則の変更です(2018年1月)。従来、厚生労働省HPに掲載されているモデル就業規則では副業禁止規定が明記されていましたが、この変更から禁止文言が削除され、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」という文言が記載されるようになりました。ここから「副業解禁」が本格的にスタートしたと考えてもよいでしょう。
次は副業・兼業の促進に関するガイドライン策定です(2019年1月)。モデル就業規則の変更と同じタイミングで、副業や兼業について、企業や働く方が現行の法令の下でどういう事項に留意すべきかをまとめたガイドラインが発表されました。
3つ目は副業・兼業の促進に関するガイドラインの改定です(2020年9月)。2018年1月に策定されたガイドラインを進化させ、企業も働く方も安心して副業・兼業を行うことができるよう、ルールを明確化するためにガイドラインの改定が行われました。ここでは労働時間の通算に関する考え方として、新たに「管理モデル」が導入されました。
4つ目は労働者災害補償保険法(労災法)の改正です(2020年9月)。従来は、災害が発生した勤務先の賃金額を基礎として給付額を決定していましたが、複数事業場で働いている人はそれぞれの給与を合算した額を基礎として、給付額を決定するようになりました。
最後が雇用保険法の改正です(2022年1月予定)。従来は、一つの事業所で週20時間以上の勤務が加入条件の一つでしたが、改正によって65歳以上で2以上の事業所で雇用される場合は、それぞれの事業所での1週間当たり労働時間の合算が20時間以上であれば加入できるようになります。
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