総務のマニュアル
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組織を強くするパーパスの策定と社内浸透の方法
パーパスを掲げるプライム上場企業は2年で倍以上に。なぜ注目される? もたらす4つの効果とは?
エスエムオー株式会社 代表取締役 齊藤 三希子
最終更新日:
2025年03月11日

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昨今、経営に「パーパス」を取り入れる企業が増えています。パーパスは企業経営にどのようなメリットをもたらすのでしょうか? そこで本企画では、経営において重視されるようになった背景からパーパス策定、浸透のポイントまで3回に分けて紹介します。初回は、経営理念の新しい基準となるパーパスとは何か、そしてパーパス経営の仕組みについて見ていきましょう。
なぜソニーは経営基盤をミッション+ビジョンから、パーパスへと変えたのか?
日本を代表するグローバル企業ソニーグループ株式会社(以下、ソニー)は、2020年に過去最高益を記録し、その後も記録を更新し続けています。実はこの背景には、ソニーの経営の大きな変更がありました。2019年に理念体系を大きく刷新し、従来の「ミッション、ビジョン、バリューズ」を「パーパス、バリューズ」 に進化させたのです。
2010年代から、理念体系の中心にパーパスを置く海外企業が増えてきていました。日本のビジネス界においてはソニーが2019年1月にパーパスを発表し、その先頭に立ったのです。日本の大手企業を見てみると、2022年には東証プライム上場企業のうち91社がパーパスを掲げ、2024年には236社へと倍以上に増加するに至っています(エスエムオー株式会社調べ)。
しかし、ソニーがパーパス経営を採用した理由は、単なる流行ではありません。そこには、確固たる経営的な必要性が存在しました。事業の多角化が進み、11万人という多様な従業員を抱えるソニーでは、「ソニーグループが何のために存在するのか」を明確にすることで、従業員が「自分は何のためにここで働いているのか」を認識できます。それによって、多様な人たちが同じベクトルに向かうことができる という考えが背景にあります。
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