副業・兼業に関する就業規則の整備と留意点

各種保険の加入はどうなる? 補助金はある? 気を付ける点は? 副業・兼業の気になるアレコレ

日本橋人事賃金コンサルタント・社会保険労務士小岩事務所  代表 特定社会保険労務士 小岩 和男
最終更新日:
2024年06月11日
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前回「従業員の働かせすぎに注意! 『副業・兼業』就業規則の整備ポイント&労働時間管理法」では副業・兼業に関する就業規則の整備と労働時間の管理方法について解説しました。今回は、副業・兼業者の健康管理や労災・雇用・社会保険の扱い、副業・兼業の促進のための支援補助金などをお伝えします。

副業・兼業者の健康管理

企業は副業・兼業に関係なく、労働安全衛生法第66条等に定められた健康診断、長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェックやこれらの結果に基づく事後措置等を実施しなければなりません。一般健康診断、ストレスチェックは常時使用する従業員が実施対象です。

事後措置等には、副業・兼業先における労働時間を通算することとはされていません。1企業で、所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上の場合に、健康確保措置の対象者になります。企業が副業・兼業を認めている場合、健康保持のため自己管理を行うように指示し、必要に応じて健康確保措置を実施するなどすることが適切です。

副業・兼業者の労災保険給付(賃金額は合算)

以前は、労災保険給付は労災が発生した事業場における賃金分のみを基に算定されていましたが、2020年の制度改正により、複数の事業場の賃金額を合算して労災保険給付が算定されるようになりました(図表1)。また、複数の事業場で働く場合、労災認定は就業先の業務上の負荷(労働時間やストレスなど)を総合的に評価してなされます。

図表1:賃金額の合算の具体例(2020年9月~)

出所:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドラインわかりやすい解説」
(※画像クリックで拡大)

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著者プロフィール

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日本橋人事賃金コンサルタント・社会保険労務士小岩事務所  代表 特定社会保険労務士
小岩 和男

中央大学法学部法律学科卒業後、東武不動産株式会社(東武鉄道グループ)に入社。以降、不動産営業を経て人事総務業務に従事。2004年、社会保険労務士試験合格後独立。現在、日本橋人事労務総研代表・特定社会保険労務士として、企業の労務顧問・講演・執筆業務で経営者を支援している。主な著書に『ぜんぶわかる人事・労務』(成美堂出版)、『図解即戦力社会保険・労働保険の届け出と手続きがこれ1冊でしっかりわかる本』(技術評論社)がある。

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