「静かな退職」を防ぐには何が必要? やる気を本人任せにしない成長機会と職場環境の整え方
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前回は、「静かな退職」が組織に与える影響や、従業員に表れるサインについて紹介しました。今回は、企業がすべき「静かな退職」への対応について解説します。
静かな退職への対応(1)「機会」のデザイン
企業は「機会」と「環境」の観点で、従業員の経験を停滞させず、持続的な成長を促す経験をデザインしていくことが重要です。まず、若手・中堅世代の対応についてです。
企業ができることの一つとして、本人の経験を停滞させず仕事を広げる経験を積める仕組みの整備や見直しが挙げられます。具体的には、業務のアサイン基準の見直しや、兼務制度や評価・目標設定制度の整備・見直しが求められます。
成長経験の前倒し
階層組織の場合、仕事のアサインとして、まず「前倒しの経験デザイン」が求められます。一つ上のステージの業務を経験できる機会、つまり一歩手前から次のステージの視野やスキルを体験できるような前倒しの機会を意図的に設ける業務アサインです(図表1)。将来の状態から逆算するバックキャストで成長経験をデザインできると、なだらかな成長が起き続け、現段階から次のステージに適応する前適応(生物のある形質が、進化の過程で元来とは別の機能や役割をもつ形質として転用されること)状態になり、具現的なキャリアのイメージを形成することができます。
図表1:前倒しの成長経験デザイン
これは、企業からよく課題として挙がっている「若手・中堅層が管理職になりたがらない」「管理職候補が乏しい」という問題の解決にもつながると考えています。
なお、業務のアサインや異動・配置について、昨今では社内業務のオークション制度や部門責任者が従業員の移籍をオファーするフリーエージェント制度を設ける企業も存在します。たとえば、社内業務のオークション制度を利用する会社では、従業員のWill(=意志)を社内通貨とし、公開された仕事を「これくらいのWillで担当したい」という意志を示して自身 で落札しています。
このような仕組みを用いることで、従業員が自分の意志で仕事(キャリア)をデザインできる感覚が生まれ、エンゲージメントの向上を期待できます。
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