東京都、カスハラ防止ガイドライン策定 民間調査では企業の約8割がカスハラ対策「未整備」

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東京都は12月25日、2025年4月に施行されるカスタマー・ハラスメント(カスハラ)防止条例を前に、カスハラ防止に関するガイドラインを策定し公表した。指針の中では、カスハラの定義や具体的な内容を示すとともに、事業者に対しカスハラ対応のポイントなどを解説している。
その一方、Helpfeel(京都府京都市)のカスハラに関する実態調査では、「会社ではカスハラ対策を実施していない」と答えた人は約8割に上るとわかった。
事業者の責務に関する規定を明記、就業者への配慮や基本方針の明確化など
今回の都のガイドラインは、カスハラの禁止を通じて、就業者の安全や健康の確保だけでなく、事業者の安定した事業活動の促進を目的としている。
事業者は、都内で事業を行う法人、その他の団体、国の機関、個人事業主など。就業者には、企業や国の機関および地方公共団体で働く者のほか、企業経営者、個人事業主、フリーランス、ボランティア活動に従事する者、PTA活動に従事する保護者、議員、自治会役員なども含まれる。
今回、都が示した指針では、事業者の責務として基本理念に則り、カスハラの防止に主体的かつ積極的に取り組むことや、都が実施するカスハラ防止施策に協力するよう努めることが盛り込まれた。
就業者がカスハラを受けた場合には、速やかに就業者の安全を確保し、行為を行う顧客に対し就業者への行為を止めるよう要請するとともに、あらかじめ定めた対応方針に従い、退去要請や出入り禁止、商品やサービスの提供停止の通告など必要かつ適切な措置を行うことが規定された。
なお、就業者については、派遣労働者、無償ボランティア、インターンシップ生、フランチャイズ加盟店の経営者・従業員など、事業者と就業者と雇用関係がない者も含め就業者と同様に取り扱うよう求めている。
ガイドラインで紹介された代表的なカスハラ行為
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