総務の引き出し(AI)

総務の仕事はどこまでAIに任せられる? 生成AIを使いこなすために決めておきたい2つのこと

株式会社Workstyle Evolution 代表取締役 池田 朋弘
最終更新日:
2026年10月27日

「システム部門からChatGPTが配られたけれど、何に使えばいいのか分からない」
「使ってはみたけれど、回答の精度も文章の出来もいまひとつで、使いこなせなかった」
総務の現場で、こんな声を耳にすることはないでしょうか。私が企業のAI導入を支援する中でも、同じ声を何度も聞いてきました。
国の調査では、業務で生成AI(文章や画像などを作り出すAI)を使う企業は、すでに約86%にのぼります。ただし、これは「どこか1つ以上の業務で使っている」という意味で、仕事のあちこちに根付いている数字ではありません。配られた道具を、自分たちの仕事のどこで、どう使いこなすか。いま問われているのは、そこなのです。
大切なのは、全部をAIにやらせようとしないこと。1つの仕事の中から「AIに渡せる部分」を見つけるところから始めましょう。今回は、その見つけ方と、総務チームで最初に決めておきたい2つのことをお伝えします。

広がるAIの利用。次に問われているのは「どの仕事に使うか」

総務省の「令和8年版情報通信白書」(2026年7月公表)によると、業務で生成AIを利用している企業は約86%で、前年から大きく増えました。この「利用」は、自社の1つ以上の業務で使っていれば数えられます。

では、使い方の中身はどうでしょうか。帝国データバンクの調査(2026年5月公表)で、生成AIへの懸念を3つまで選んでもらったところ、最も多かったのは「情報の正確性」で約5割。「専門人材・ノウハウの不足」と「生成AIを活用すべき業務の範囲」が、ともに約4割で続きました。

中小企業基盤整備機構(中小機構)の調査(2026年3月公表)では、中小企業の約8割が「成功事例や活用事例の情報を十分に入手できていない」と答えました。

いずれも、AIそのものが使えないという話ではありません。使いどころが見えない。使いこなせる人も、手がかりもまだ足りない。ツールは配られたものの、多くの会社がこの段階で足踏みをしています。冒頭の声は、その表れなのでしょう。

では、使いどころはどう見つければよいのでしょうか。つまずきの原因は、「全部をAIに任せるか、まったく使わないか」の二択で考えてしまうことにあります。

仕事は丸ごと渡さない。1つの仕事を「AIの部分」と「人の部分」に割る

どんな仕事も、割る場所さえ見つかれば、AIに渡せる部分が出てきます。たとえば、オフィスの入館ルールが変わるので、社内に知らせる通知文を作る仕事があるとします。この仕事は、実は3つの作業に割れます。

  • 情報を集める(変更点の整理) → AIがまとめ、人が確かめる
  • 下書きを作る → AIに渡す
  • 内容を確認して決裁する(日付・宛先など) → 人がやる

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