地域限定社員も「どこでも勤務」OK、テレワークを活用するサッポロビールのキャリア継続支援制度

月刊総務 編集部
最終更新日:
2024年03月04日
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サッポロビール(東京都渋谷区)は3月1日から、リージョナル型社員を対象に、居住ブロック以外の業務をテレワーク中心で遂行することができる「どこでも勤務制度」を導入する。「ブロックによって職種が限定される」というリージョナル型の課題を解決し、キャリアの選択肢を広げるのが狙いだ。

配偶者の転勤に伴う「リージョナル型」勤務が可能に

サッポロビールは2016年、社員が子育て介護などの事由により転居を伴う異動が難しい場合でも、働き続けられる選択肢を持てるよう「NR制度」を開始した。「N」は国内外問わず各地の事業所に転勤可能なナショナル型、「R」は育児・介護などを理由に一定期間居住ブロックを限定し勤務できるリージョナル型を指す。

同社によると、リージョナル型社員はブロックにより職種が限定されるため、キャリアの可能性を狭める要因となっていた。今回導入する「どこでも勤務制度」を活用することで、たとえば、社員は本社(渋谷区恵比寿)で担当していた業務を、他ブロックに転居後も継続できるようになる(新入社員は対象外)。

同制度の適用には、業務内容や業務遂行状況、会社ニーズとの合致度などの一定条件がある。今回の新制度導入にあたり、「配偶者同居」が適用理由に追加された。今後は配偶者の転勤などを理由とした諸課題についても対応していく。

2017年には「プラチナくるみん」認定も取得、ワークライフバランスを推進

サッポロビールはこれまでも、仕事と育児との両立支援を目的に、「時間有休制度」「スーパーフレックス」「テレワーク」など多様な働き方を推進してきた。中でも、テレワークについては回数制限を設けず、時間外労働やフレックスタイム制度との併用も可能など柔軟に運用している。

また、介護や治療との両立も含めた総合支援の一環として、2006年には育児応援サイトを開設し、育休中の収入シミュレーションシートを作成できるツールや従業員の育児に関するコメントや経験談を基にした情報など掲載するほか、介護に関する外部専門家の相談窓口の設置、希望者を対象に介護セミナーなども開催している。

これらの取り組みが評価され、子育て支援に積極的な企業として、2017年には厚生労働省「プラチナくるみん」認定を取得した。

転勤帯同や介護など、家族の事情でのキャリアブレイクを防ぐ動き

サッポロビールの事例以外にも、ライフスタイルの変化に応じたフレキシブルな働き方の実現に取り組む企業が増えている。

東急リバブル:「テレワーク」を前提に、円満退職した女性社員を再雇用

東急リバブル(東京都渋谷区)は2021年、転勤帯同や育児といったライフイベントなどの事情により円満退職した元社員の女性を主な対象に、テレワークを前提として、東急リバブルスタッフ(東京都渋谷区)の社員として新たに雇用する取り組みを開始した。退職した元社員に加えて、社員の親戚・知人といった社員からの紹介を中心に募集することで、信頼度の高いスタッフの採用に成功しているという。

リクルートスタッフィング:総合職でも事前申告で「転勤」回避可能

リクルートスタッフィング(東京都中央区)は2022年、「ワークエリア継続制度」を導入。総合職には転勤の可能性があったが、事情があれば事前申告により転勤を回避できるようになった。

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