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RPAの活用【最終回】RPAを導入する際に注意したい3つのポイント

2018年05月14日

 日本におけるRPA元年といわれる2016年から2年が経過した。その間に、RPA関連のツールやサービス、対応するベンダーも格段に増え、ユーザーとしては検討しやすくなった半面、選択する上で複雑さが増したともいえるだろう。

 今回は効果的なRPAの導入を実現する上で注意したいポイントについて整理してみる。

■どのRPAツールを選べばよいのか?

 効果的なRPAの導入を実現するためには、まずツールの選定が重要だ。現在RPAツールとして販売されているツールには大きく2種類ある。

(1)サーバー管理型RPAツール
 1つは、ロボットをサーバーで管理し、必要に応じ複数のアプリケーションをロボットが操作することができるツールだ。この場合は、業務フローに合わせ必要なロボットが自動的に起動されるため、ロボットに代行させた業務について、人間の関与が完全に不要となる。つまり、業務プロセスレベルでのロボット化(自動化)が可能になる。文字通りRPA(Robotic Process Automation)の実現だ。

(2)デスクトップ型RPAツール
 もう1つは、クライアント単位でツールを導入して利用するツールだ。この場合、ロボットの操作対象はインストールされたクライアントに限定され、ロボットが操作するアプリケーションも単独となる。
 そのため、対象業務担当ロボットを人間が起動し、処理結果の確認の上、次の業務担当ロボットを起動するといった人間が介在しての運用となるケースが多い。したがって業務プロセスレベルでの自動化ではなく、デスクトップ上の個別タスクレベルでの自動化となり、正確にいえばRPAでななく、RDA(Robotic Desktop Automation)の位置付けのツールとなる。デスクトップ業務の効率化には向くツールではあるが、RPA本来の目的である業務プロセスレベルでのロボット化(自動化)を実現される場合は、おのずとサーバー管理型のRPAツール選定が必要になる。

 現在、国内でも多くのRPAツールが販売されているが、自社が考えるRPAの目的と照らし合わせた適切なツール選びが重要だ。

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■どの業務をロボット化すればよいのか?

 業務プロセスレベルで導入効果の高いRPA化を実現したいのであれば、現状の業務フローを整理、把握した上で、RPA化後の業務フローを検討する手順を踏むことをお勧めする。RPA化することにより、現在の業務フローを変更した方が業務の生産性が高まる場合が多々あるからだ。

 RPA化後の業務フローを検討しながら、どの業務をRPA化できるかを洗い出し、RPA化候補業務を整理する。最終的にはROI(※)で比較し、RPA化対象業務を優先順位付けした上で、投資金額を考慮しながらRPA化業務を決定することになる。これが本来のRPAを実現する上でのスタンダードなアプローチ(導入方法)であり、最大限の効果を生む導入方法であると私は考えている。

※return on investmentの略。投資した資本に対して得られた利益のことを指す。

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■どのRPA導入パートナーに頼めばよいのか?

 ここまで読み進めて、何を当たり前のことを長々と記述しているのかと不審に思われるかもしれない。しかし、実際には、上述のようなRPAツールの特徴を把握した上で効果的な導入方法を取っているユーザーが非常に少ないことも事実である。それはなぜか? 私は、ユーザーがRPAの導入を依頼するパートナー企業の影響を受けているのではないかと考えている。

 これまでRPAの導入に当たっては、RPAの技術を保有している会社をパートナーに選び、導入を進めるケースが多かったと思う。そのほとんどの場合、開発すべきロボット化対象業務ならびに動作内容をユーザーが決め、その場でパートナー会社がロボットを開発し、出来栄えをユーザーが確認しながら導入を進めていくという「ユーザー主導による面倒な業務のRPA化検討」になってしまっているケースが多い。

 その原因の1つは、導入パートナー企業の知見や経験ではないかと考えている。業務プロセスレベルでのRPA化を実現するのであれば、RPAの技術だけでなく、対象となる業務の知識は必須になる。対象業務システムに関する知識や導入経験があれば、さらに効果的かつ効率的な導入ができるはずだ。これまでの日本はRPA黎明(れいめい)期だったので、試行錯誤しながらRPAを導入してきたケースも多かったのだろう。また、導入パートナーといっても選べるほど企業数がなかったことも事実であると思う。

 しかし、現在はいろいろな特徴を持った導入パートナー企業がそろってきているので、ツール同様、RPAの導入目的合ったパートナーの選定ができるはずだ。

 また、RPA黎明期に他社に先駆けてRPAを試行的に導入された企業においては、RPA本来の目的を果たす上で適切な「ツール」「導入方法」「導入パートナー」を選定しているか、今一度確認が必要であると思う。改善の余地があれば、見直した上で、本格展開に進まれることを強くお勧めする。

 3回にわたりRPAの活用について説明させていただいた。これからRPA導入を検討しようと考えている方々の、一助となれば幸いである。

秋葉 尊
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