株主総会運営:リハーサル

最終更新日:2010年03月08日

株主総会運営:目次

リハーサルは最も重要な行事である。この場でもろもろの確認を行い、本番に向けて修正していくのである。実施時期は、株主総会の1週間前までと前々日の2回。本番さながらのリハーサル内容により、シナリオの確認をしていく。株主総会当日の参加者は全て出席してもらい、いろいろなパターンのリハーサルにより、各担当者の動きをチェックする。受付の確認、役員の確認、議長の確認、事務局の確認、社員株主の確認事項につきチェックしていく。当日と同様の設営物を準備して、会場の確認と議場設営の確認も行う。できれば、当日参加して頂く弁護士と警察の方々にもリハーサルに出席してもらうよう要請しておく。

●実施時期

株主総会のリハーサル実施時期は、株主総会当日の1週間前までの1回と、株主総会前々日の1回、計2回実施する。最初のリハーサルでの修正事項を確認する場として、前々日にリハーサルを行う。前日ではなく前々日に行うのは、最終確認の場で大きな変更があった場合に、その対応を行うために中1日空けておくためである。株主総会の会場を外に借りる場合は、このリハーサルの日程もあらかじめ決めておき、その準備期間も含めて会場を押さえておくこととなる。

●会場の確認

リハーサルを行うことで、会場の設営物、掲示物、人員の配置と株主の誘導経路に関して修正する事項が多々発生する。2回とも本番同様の会場設営をしておくことが望ましい。但し、掲示物や当日でないと用意、或いは設置できないものは除いてよい。自社の会議室で開催する場合は、諸設備についてあらためて確認する必要はないが、社外で借りる場合は、いろいろな事項について確認する必要がある。

(1) 株主の動線、どこから入場して、受付まで辿り着くのか

(2) その動線上の誘導物(掲示物)や誘導係りは十分か

(3) 雨の場合の対応は可能か(傘たての準備)

(4) 全ての出入口を把握しているか

(5) トイレや公衆電話の場所を把握しているか

(6) 会場までの交通機関は全て把握しているか

(7) 駐車場はあるか

(8) 会場内の音響設備は十分か

(9) 会場内の空調設備は完備しているか"

●リハーサル内容

できれば、2回とも本番と同内容で行うべきである。よって、開始時刻も同様にする。10時開始になるかと思う。事務局、司会、受付、誘導や警備の各担当も本番同様の配置につき、リハーサル用に委任状や議決権行使書を用意し、社員株主に対して入場票のやり取りや、委任状を持参しなかった場合の対応を練習する。また、議決権の集計の練習も行い、実際に司会や事務局に連絡する段取りも訓練すると良い。社員株主も当日出席予定の者は極力リハーサルにも出席させ、当日の流れを理解させておく。

●シナリオの確認

リハーサル実施時期までにはシナリオは完成しているはずなので、そのシナリオに則ってリハーサルを行う。何事も発生しないパターンを何回か通しで行い、その後に質問の応対や手続的動議や修正動議が発せられた場合の事務局と議長の対応、不規則発言や議場荒しへの対応を練習する。社員株主の対応についても確認をとっておく。また、当日はシナリオを持参することは出来ないので、各社員株主は招集通知にメモ書きして対応が遺漏なくできるようにしておくと良い。

●弁護士と警察

株主総会のリハーサルには、弁護士や当日臨場してもらう警察の方にも出席してもらい、その都度法的なアドバイスを頂きながら進め、最後に全体を通じての課題を指摘してもらうこととする。弁護士には、当日と同様に事務局席に着席してもらい、質問に対する対応や議事進行に支障のある場合の対応について、実際に事務局としてどのように行うべきかを、事務局の仕組みとしてアドバイスしてもらう。そのアドバイスを基に、事務局間の役割を明確にし、最も機能的な体制とすべきである。また、弁護士に「荒れる総会」を演出してもらい、議長と事務局だけでどこまで対応できるか試すのも、良い訓練となる。警察の方を交えてのシュミレーションは、実際に警備担当による警察官への引渡し場面を練習しておく。

●議場設営の確認

議場や会場設営に関する確認事項は以下の通り。

(1) 十分な株主席数が用意されているか、予備椅子はあるか

(2) 株主が議長席へ詰め寄った場合の障壁はあるか

(3) 雛壇の配置はバランスがとれて適正か

(4) 雛壇のテーブルクロスは見栄え良くかかっているか

(5) 雛壇の名札は良く見えるか、分かりやすいか

(6) 司会の位置は適切か

(7) 照明や空調の温度設定は適正か、時計は正確か

(8) 議長席や司会、回答席のマイクの位置及び音量は適切か

(9) 事務局の位置はどうか、議長との連携が円滑にできるか

(10) 株主の誘導は適切に行われたか、誘導係の位置は適切か

(11) 誘導係はトイレや電話等の諸施設の場所を把握しているか

(12) 警備係の配置場所と臨場警察の席は適切か

(13) 議長の指示に的確に反応できたか、その行動に法的な問題はないか

(14) 掲示物とその設置場所は適切か、新たに設置が必要な掲示物はないか

(15) 不必要な掲示物はないか、事前に剥がしておくべきものはないか

(16) 株主の待機場所、控え室はとれるか

(17) 録音機材の設置場所は適切か、株主の発言も収録できるか

(18) ビデオの設置場所は適切か、株主からクレームがつかない場所か

(19) 当日、雨天の場合の対応はとれるか、傘立てはあるか"

●受付の確認

受付に関する確認事項は以下の通り。

(1) 株主入場時の挨拶はしっかりと出来ているか

(2) 委任状・議決権行使書の受付と集計の連携はスムーズか

(3) 委任状・議決権行使書の集計結果をタイミングよく事務局及び司会へ伝達できたか

(4) 議事進行中も集計作業を継続していたか

(5) 議事の途中で要求された集計データを速やかに伝達できたか

(6) 委任状不持参の際の、株主照会はスムーズにできたか

(7) 不測の事態につき、素早く総務担当へ連絡できたか

(8) 閉会後の株主への挨拶はしっかりと出来ているか

(9) トイレや株主控え室の案内はしっかりとできたか

(10) 閉会後の株主への土産を渡す作業はてきぱきと出来たか"

●役員の確認

役員に関する確認事項は以下の通り。

(1) 議場に入場する際と着席する際に一礼をしているか

(2) 開会と閉会の挨拶は役員全員がそろってできているか

(3) 議事進行中の態度は適切か

(4) 各役員のテーブル上に適度な資料は用意されているか

(5) 質問に対する返答の枕詞は全員共通か・・・「取締役の○○です。議長の氏名により、・・・に対する質問につき、私からご説明申し上げます。・・・以上ご説明申し上げました。」

●議長の確認

議長に関する確認事項は以下の通り。

(1) シナリオを読む速さは適切か、読み違いはないか

(2) シナリオ原稿に読みにくい字句、表現はないか

(3) 株主が理解しにくい字句、表現はないか

(4) 報告事項終了まで、発言を制止できたか

(5) 不規則発言を制止できたか

(6) 発言者に出席番号と氏名を言わせているか

(7) 発言を許可した場合、起立させているか

(8) 発言者の出席番号、氏名、発言内容をメモしているか

(9) メモした後、ゆっくりと確認しているか・・・「○番の○○さん、今の質問は・・・ということですね」

(10) 議長が質問の返答をする場合、返答者を明示しているか・・・「議長の私からお答えいたします。・・・以上をもってご説明を終わります。」

(11) 各担当役員に返答させる場合、株主と役員間で勝手にやり取りが進むのを阻止しているか

(12) 質問者は満遍なく指名して、偏っていないか

(13) 質問なのか動議、意見なのか確認しているか

(14) 株主の挑発に乗っていないか

(15) 事務局が提示する発言カードに従っているか"

●事務局の確認

事務局に関する確認事項は以下の通り。

(1) 議長とともに挨拶すべき時に挨拶を行ったか

(2) シナリオの読み間違いを議長に修正指示できたか

(3) 計測が必要な各段階の時間をチェックできたか

(4) 株主の反応を常に把握しようとしているか

(5) 質問に対してスムーズに回答や資料の提供がなされているか

(6) 総務担当者と弁護士の連携はスムーズか

(7) 突発事項に対する議長への指示がスムーズに出来ているか

(8) 必要な書類が用意されているか"

●社員株主の確認

社員株主に関する確認事項は以下の通り。

(1) 社章をはずしているか

(2) 議場内で、社員株主同士で私語を交わしていないか

(3) シナリオどおりの受け答えをしているか

(4) 議長との掛け合いのタイミングは適切か

(5) 自分の立場を十分に理解しているか"

(執筆:『月刊総務』)

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