不実の電磁的記録を作りコンピュータ・システム内や電磁気録媒体などの電磁記録を改変して利得を得る詐欺罪のことで、1987年6月の刑法改正で新設(刑法第246条の2)。新設条文では「人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報もしくは不正な指令を与えて財産権の取得・喪失に関する不実の電磁的記録を作り、財産上不法な利益を得たり、第三者に得さしめた場合に、10年以下の懲役に科する」と規定。裁判例としては、銀行員がオンラインシステムの端末から自分の預金口座に入金があったと嘘の情報を入力し、同口座の預金残高を書き換えた例等がある。企業など組織内における不正行為に対する抑止効果などが期待される。
(執筆 BEIビジネス倫理研究所代表 山口謙吉)