米国で1991年、司法の場で連邦法上有罪を受けた組織に対して懲罰的罰金額を算定する際の基準として発表されたもので、効果的なコンプライアンス・プログラムを有する事業者は優遇するという趣旨のものだ。具体的には、企業不祥事を未然防止するために効果的な倫理プログラムを有する事業者は罰金額を20 分の1まで軽減する一方、効果的なプログラムを有しない事業者はそれが4倍にまで増額されるというものである。この発表により米国企業の間で自主行動基準の策定とその遵守体制を確立する動きが広まったといわれている。効果的プログラムとして7つの基準からなるコンプライアンス・プログラムが明記されている。内容は、・倫理綱領などの制定、・倫理担当責任者の任命、・倫理担当者の適正な人材の配置、・教育・研修プログラムの実施、・監査の実施とホットラインなどの整備、・懲戒制度などの整備と倫理綱領など明文化された基準の周知徹底、・緊急対応策や再発防止策の確立、などである。
(執筆 BEIビジネス倫理研究所代表 山口謙吉)