月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい1月のトピックス

2020-12-22 11:12

2021. January

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律

 2020年6月に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が国会にて可決・成立しました。本法律は2021年6月施行予定です。
 制定された背景は、近年、オーナーの高齢化や相続等に伴う兼業化の進展、管理内容の高度化等によって、管理業者に管理を委託するオーナーが増加していること、賃貸経営を管理業者に一任するサブリース方式において、管理業者とオーナーや入居者との間で紛争が増加していることです。特に、サブリース方式では、家賃保証等の契約条件の誤認を原因とする紛争が多発し、社会問題化しています。そこで、本法律では次のようなルールを定めています。
 まず、サブリース業者とオーナーとの間の賃貸借契約の適正化に関する措置として、すべてのサブリース業者の勧誘時や契約締結時に一定の規制を導入しています。具体的には、不当な勧誘行為(サブリース業者等による特定賃貸借契約〈マスターリース〉勧誘時に減額リスクなど相手方の判断に影響を及ぼす事項について故意に事実を告げずまたは不実を告げること)を禁止し、マスターリース契約締結前に重要事項説明書の交付を義務付けています。
 次に、賃貸住宅管理業に係る登録制度を導入しています。具体的には、賃貸住宅管理業を営む者は国交大臣の登録、業務管理者の配置、管理受託契約締結前の重要事項説明、財産の分別管理、定期報告などが義務付けられています。


■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●2021年1月1日、時間単位休暇施行

 2021年1月1日から、時間単位の「子の看護休暇」「介護休暇」の取得が義務化されます。半日単位から一時間単位へ進化させるものですが、時間単位の休暇については、注意が必要です。1日の所定労働時間が八時間の企業であればあまり問題になりませんが、7時間30分など端数の時間がある場合には1時間単位に切り上げて休暇を取得させなければなりません。
 これらの改正については、就業規則や労使協定などの改定を実施する必要があるでしょう。厚生労働省が「育児・介護休業等に関する規則の規定例」や「子の看護休暇・介護休暇の時間単位での取得に関するQ&A」を公表していますので参考になります。

●最高裁判決(同一労働同一賃金関連)

 同一労働同一賃金関連訴訟で、2020年10月13日に大阪医科薬科大学事件とメトロコマース事件、同月15日に日本郵便(東京・大阪・佐賀)3事件について、最高裁判所が判断を示しました。13日の2つの事件では、賞与や退職金を支給しないことは不合理とされず、15日の3事件では、扶養手当、夏期・冬期休暇、有給の病気休暇などは不合理とされました。
 いずれも個別の事案であり、同一労働同一賃金の問題について、賞与や退職金を支給しなくとも不合理ではないと判断するのは、まだ早計ですので注意が必要です。


■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●2021年度に係る固定資産税等の軽減措置

 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の一環で、中小企業者・小規模事業者の固定資産税・都市計画税の負担を軽減する措置が講じられています。具体的には、2020年2月から同年10月までの連続する任意の3か月間の事業収入の合計が、前年同期比で30%以上50%未満減少している場合は2分の1が軽減、50%以上減少している場合は全額免除となります。
 なお、適用には、事業収入の減少割合などについて認定経営革新等支援機関等の確認を受けた上、2021年1月31日までに、対象資産の所在する各地方自治体が定める申告書様式にて必要書類を添付して申告する必要があります。

●会社負担の免許・資格取得費用

 従業員が免許・資格を取得するために必要な費用を会社にて負担した場合、原則的には給与として取り扱われ、所得税等の源泉徴収の対象となります。ただし、「その免許・資格が会社の業務遂行上、必要である」「取得する従業員の職務に直接必要である」「その負担する金額が適正である」といった条件のすべてを満たせば、給与扱いしなくてよいことになっています。
 特に「直接必要であるかどうか」がポイントです。もし税務調査で給与として指摘された場合、会社側は源泉徴収漏れとして附帯税を負担することになり、従業員側の所得税や住民税にも影響が出るので注意しましょう。

『月刊総務』2021年1月号P7より転載