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知らないと危険!著作権・肖像権(その12)

2013年06月27日

■ダウンロード違法化の意味について知っていますか?

 前回において、ダウンロードは複製でもあるということを説明しました。ダウンロードによる複製には、複製権侵害になる場合とそうでない場合があるということでした。

 私的使用を目的とするダウンロード(複製)なら違法ではないし、インターネットを利用するためにやむを得ないような一時的な記録(いわゆる一時ファイルとしての保存)であれば、これも違法ではないのですが、それ以外のダウンロードは複製権を侵害するという意味で違法の恐れありということになります。

 たとえば、私的使用の目的以外で音楽や映像を意図的にダウンロードしていたとすれば、それは著作権侵害だという理論が成り立つということです。

 そして平成22年1月1日から新しい著作権法が施行されたことにより、たとえ私的使用目的のダウンロードであったとしても、一定の条件を満たせば複製権侵害になってしまうということになりました。

 これは今回の改正著作権法の目玉であり、「違法コンテンツのダウンロード違法化」というタイトルでニュースになっていた部分です。

注目すべき点は、

(1)ダウンロードしたコンテンツが著作権を侵害してアップロードされていたことを知っていた
   場合であること。

(2)このコンテンツが「映像又は音楽の著作物」であること。
   (テキストや写真、イラスト等は対象外)

(3)情報計算処理のための一時的な情報の記録ではなくユーザーによる意図的なデータ保存で
   あること。

などの要件を満たした場合に複製権の侵害にあたるということです。

 たとえばYouTubeで人気アイドルグループの楽曲をダウンロードしたような場合です。
YouTubeなどの場合はストリーミング方式で映像を閲覧でき、そこまでであれば著作権法上の問題はありませんが、特殊なソフトウェアを使用して意図的にパソコンに保存してしまえば、たとえ私的使用であろうとも著作権を侵害してしまう恐れがあります。

 こういった利用方法は若年層の場合に多く見られますので、振り込め詐欺の対象となってしまうことが懸念されます。

 もし中高生に「YouTubeでダウンロードしたことは犯罪なのですぐに1万円を振り込みなさい」といったメールが送られた場合には、親や教師に相談しないで振り込んでしまうお子さんがいるかもしれません。
しかし、実際には著作権法の規定によっては、私的使用を目的として複製した場合に刑罰が適用できないことになっています。

 違法ではあるが刑罰はなし。こういうタイプの規制は最近とくに増えています。

 つまり、こういった違法なダウンロードであっても、違法ではあるが刑罰なし、ということになるのです。

 損害賠償請求は可能ですが、著作権者や音楽管理団体が違法なダウンロード行為を発見し、そのユーザーを突き止めて損害賠償請求をすることが実際に可能かといえば、それはかなり困難なことであろうと思います。

 つまり今回の「ダウンロード違法化」という改正は、取り締まりを目的としたものではなく啓発的な意味合いが強いということになるのですが、そのあたりのことがわからない人は単純な詐欺にもひっかかり易いかもしれません。
ご注意いただきたいです。

日野 孝次朗
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