固定資産税(償却資産)講座

固定資産税(償却資産)講座 第6回:固定資産台帳作成が経営の根幹だった(6)

一般財団法人 資産評価システム研究センター  特任講師 笹目 孝夫
最終更新日:
2017年05月26日

賢者は質問する

「賢者の質問」に対し、税務調査員は口を開き始めます。

「ご指摘の通り、固定資産台帳を購入、作成、廃棄するときに、ミスが生まれることは多いです。ほかにも、ある年度だけが、償却資産の申告漏れが発生するときがあります。ある年度だけが、申告漏れが発生するのは、たぶん、法人税申告の理解はできていても、地方税申告は、理解されていない方が、償却資産申告の担当者になったのかもしれません。国税に申告に比べ、地方税申告は軽んじているのか。そのような体質の企業なのかと、疑われますよ」

「なるほど......」

「ほかにも、償却資産の申告書が役所から、送られてきたら、印を押して、返送すればよいと、事務の引き継ぎされている企業もあります。それは悪意の申告と見られるので、注意をされたほうがよいです。ある程度の規模の企業の資産が、何年間もまったく増加、減少しないというのは、やはり不自然でしょう。税務調査員は、この企業は虚偽の申告者ではないかと疑い始めるでしょうね」

「そのように、見られるのですね。固定資産台帳の作成も、ルーティン作業になっているとたいへん危険ですね」

賢者は、そういいながら細かな会話までもメモを取ります。大げさに驚き、うなずいてくれると、さらに、税務調査員の口元が緩むかもしれません。

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著者プロフィール

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一般財団法人 資産評価システム研究センター  特任講師
笹目 孝夫

経歴
  • ・1979年 横浜市入庁(主税部財政局および区役所にて固定資産税部門専任職)
  • ・2015年 横浜市主税部財政局税務課償却資産センター退職
  • ・総務省主催「償却資産の実地調査研究委員会」委員歴任
  • ・全国自治体にて、固定資産税(償却資産)実地調査講演、全国版研修ビデオ、研修教材作成等
  • ・一般財団法人 資産評価システム研究センター特任講師
その他
笹目孝夫のブログ・オフィスささめ
元税務調査員の 「固定資産税(償却資産)申告と実地調査」講座

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