総務辞典

防火管理

防災教育

消防計画が確立されていても、実際に防火管理業務に従事する者が、自己の役割や任務を知らなければ、単なる形式的なもので、およそ防火管理の目的を達成することは不可能である。従って、防火管理業務に従事する者に対し、消防計画の周知を図ることはもとより、業務の効果的な推進を図るための環境作りや、業務に必要な知識等についても十分徹底しておくことが必要である。また、火気管理や防災施設・設備の維持管理だけをみても、日常におけるちょっとした不注意や周辺環境の不備等に起因する出火事例及び延焼拡大事例が多いことから、一般従業員等を含めた全ての者の防火意識に支えられた防火管理を推進しなければならない。効果のある防災教育の実施方法には、全社員向けの、火災予防、地震災害に関する一般的知識の習得と、自衛消防隊向けの、災害発生時の役割認識や行動能力の向上を図ることを目的とするものがある。消防訓練と連動して実施時期を決める。

●実施方法
全従業員向けの防災にかかわる一般的知識の普及は、消防署発行の冊子や、防災マニュアルに規定されている災害発生時の行動要領を抜粋したものを配布し、各自で読んでもらうことにより実施する。自衛消防隊の各担当者(初期消火班、通報連絡班など)にかかわる役割認識と行動能力の向上は、想定される火災発生原因及び場所の十分な理解をしてもらい、その上で消防訓練において実践する。可能であるならば、消防訓練の実施日時のみ広報し、火災発生場所及び避難集合場所を、当日の館内放送で始めて知る状態にして、抜き打ちによる訓練を行う。

●実施時期
全従業員向けの一般的知識の普及は、防災に対する認識を改める機会としての、9/1の防災の日前後に配布し実施する。自衛消防隊の各担当者の役割認識と行動能力の向上は、消防訓練開始1週間前に、各自衛消防隊の担当者を集めて火災想定勉強会を実施し、どのような状態でも対応できるような理解をしてもらう。

●効果
地震や火災といった災害はいつ発生するか予測がつかない。その予測がつかない状態に極力近づけて訓練を行うことにより、万が一発生した場合でも、咄嗟に行動できる状態にしておくことが必要である。また、実行部隊である自衛消防隊はもちろんのこと、他社員についても、自衛消防隊が取るべきその行動を理解し、自衛消防隊の指示に適格に反応できる知識もまた必要である。毎年実施するこの知識の普及と咄嗟の訓練により、確実に、以上のような状態に近づくことができる。

(執筆:『月刊総務』)

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