月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい1月のトピックス

2017-12-22 10:36

2018.January

◆法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾

●住宅宿泊事業法の概要

 近年、外国人旅行者は増加し、2012年の836万人から2016年の2404万人になり、オリンピックイヤーの2020年には4000万人が見込まれています。このような旅行者数の増大に対応するため、2017年の通常国会で住宅宿泊事業法が制定され、2018年の6月15日施行されることになりました。
 住宅宿泊事業法の概要は次の通りです。
[1]住宅宿泊事業者に係る制度の創設
(1)都道府県知事への届け出が必要、(2)家主居住型の場合は住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置(衛生確保、騒音防止のための説明等)が義務付け、(3)家主不在型の場合は(2)の措置を住宅宿泊管理業者へ委託することを義務付け、(4)都道府県知事は、民泊事業者に係る監督を実施。
[2]住宅宿泊管理業者に係る制度の創設
(1)国土交通大臣の登録が必要、(2)住宅宿泊管理業者は住宅宿泊管理業の適正な遂行のための措置(住宅宿泊事業者への契約内容の説明等)の実施と1-(2)の措置の代行を義務付け、(3)国土交通大臣は、住宅宿泊管理業者に係る監督を実施。
[3]住宅宿泊仲介業者に係る制度の創設
(1)観光庁長官の登録が必要、(2)住宅宿泊仲介業者には、住宅宿泊仲介業の適正な遂行のための措置(宿泊者への契約内容の説明等)を義務付け、(3)観光庁長官は、住宅宿泊仲介業者に係る監督を実施。
 

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久

●1,000万円超の給与所得者は4.2%

 国税庁が公表した「平成28年分 民間給与実態統計調査」によると、年間平均給与は422万円で前年比0.3%の増加となりました。男女別では、男性521万円、女性280万円となっています。また、1,000万円を超える給与所得者の割合は四・二%になっています。
 一方、労働基準法の改正案で想定されたホワイトカラーエグゼンプションの対象者は、年収1,075万円でした。対象者の多くは、すでに管理監督者であることが多いと思われます。国税庁の統計と直接の比較はできませんが、ホワイトカラーエグゼンプションが法制化されたとしても大きな影響はないのかもしれません。
 

●働き方改革の続き

 「働き方改革関連法案」が国会に提出される直前に衆議院が解散されたことで、働き方改革の遅れが心配されていますが、厚生労働省ではその後の動きが進行しています。働き方改革の中でも注目を集めているテレワークや副業・兼業について「柔軟な働き方に関する検討会」が組織され、すでに会合が重ねられています。この検討会では、ガイドラインやモデル就業規則の作成が一つの目的とされています。
 また、個人請負などの保護について議論する「雇用類似の働き方に関する検討会」も組織されています。働き方改革は、今後も広がりを見せそうです。
 

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ

●2017年分の確定申告(医療費控除)

 所得税の確定申告において医療費控除を受ける際、今まで提出が義務付けられていた医療費の領収書が、2017年分の確定申告から提出が不要になりました(五年間の保存は必要)。領収書を提出する代わりに「医療費控除の明細書」の添付が必要ですが、当該明細書に関しては、医療保険者から交付を受けた医療費通知を添付することにより、記入を省略できます。
※経過措置として、2017年分から2019年分までの確定申告については、今まで通り医療費の領収書の添付または提示でもできます。
 

●旧居住用財産を譲渡した場合の特別控除

 以前に住んでいた家屋や敷地等を、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却した場合、所得税額の計算上「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の特例の適用を受けられます。売却までの用途制限はないため、空き家でも賃貸用でも問題ありません。ただし、家屋を取り壊した場合(敷地のみの譲渡)には、次の2つの要件全てに該当することが必要になります。
(1)その敷地の譲渡契約を、家屋を取り壊した日から1年以内に締結し、かつ住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却すること。
(2)家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を他の用に供していないこと。
 
『月刊総務』2018年1月号P7より転載