社員の成長を促す 社内起業の進め方

社内起業を制度化するときの留意点:トップ・ボトム双方に求められることとは

株式会社インキュベータ 代表取締役 石川 明
最終更新日:
2023年03月17日
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社内起業は、経営陣と社員の両輪がうまく回って初めて成り立ちます。ここでは、どんなことに留意して制度化すべきなのか、見ていきましょう。

トップのコミット

トップのコミットなしではなし得ない

社内起業を制度化して取り組むとなると、魅力的な事業案を生み出せるかどうか社員の力量によるところが大きいと見られることが少なくありません。しかし、私の経験則では、実際のところ成否の鍵を握るのは、起案する社員の方々の力量よりも、トップのコミットがどこまであるかということではないかと感じています。

新規事業の創出に課題を持った会社が新たに制度化して取り組んでも、新規事業を生み出すことは簡単ではありません。実現するためには相応の投資(人、モノ、金、時間)も必要ですから、それをなし得るためには、もちろんトップの強いコミットが必須です。

「試しに社員に考えてもらう」くらいの軽い思い付きで、成果を出せることは決してありません。短期的な成果が出ないとしても、胆力を持って取り組みを続けることが必要です。

目に見えた成果が出ないと、社内からさまざまな反対意見も出てくるでしょう。それを抑えて取り組みを支えられるのはトップしかいません。まずはトップの強いコミットがあった上で、制度化を準備せねばなりません。

全社の共通理解を

その上で、この取り組みの意味、意義、覚悟を全社的に十分浸透させ、理解をしてもらう必要があります。成果がうまく出てこなかったときの反対意見は、役員クラスからだけではありません。むしろ現場からの反対意見を想定しておく必要があります。当初は活発にアイデアが出ていたとしても、なかなか成果が出てこないと現場から「目の前の通常業務をおろそかにして、余計なこと(新規事業の検討)にうつつを抜かしているのではないか」という声が出てきたりします。

また、現場のマネジメントをしている中間管理職の立場からすると、普段は綿密に業務時間管理をしてマネジメントをしている中で、ほかのことに時間を割いている社員のことを許容し難い気持ちになります。現場の同僚や直接の上司に歓迎されない取り組みが、社内の現場で浸透するわけがありません。

これは、真面目に通常業務を行っているからこそ出てくる声なので、抑え込むのは得策ではありません。自社の将来を考えたときに、通常業務以外に新規事業にも取り組んでいくことが重要であると丁寧に説いて、理解をしてもらう必要があります。

トップとボトムの意思疎通

トップとボトムの悲しい擦れ違い

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著者プロフィール

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株式会社インキュベータ 代表取締役
石川 明

ボトムアップによる社内起業の支援だけに特化したコンサルティングを行い、13年間で大手企業を中心に100社・2000案件以上の社内起業を支援。株式会社リクルートの新規事業開発室での経験をベースにするが、現在の中心顧客はメーカー、サービス業、エネルギー、金融と幅広い。著書に『はじめての社内起業』『新規事業ワークブック』『Deep Skill』がある。大学院大学至善館特任教授。明治大学ビジネススクール客員教授。

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