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日本はデジタル活用において「周回遅れの後進国」との声がある。日本の抱える課題を解決するために、今、必要なリスキリングとは何か。徳岡晃一郎さんは、リスキリングはデジタル領域に限らず、持続可能な社会の構築を目指すヒューマンな領域にも必要であると解説する。リスキリングの2つの方向性と、人材強化の鍵となる戦略について尋ねた。
取材・文◎武田 洋子
企業も個人も消極的 知の再武装に無関心な日本

多摩大学大学院 教授・学長特別補佐
徳岡 晃一郎さん
日産自動車株式会社人事部、欧州日産などを経て、フライシュマン・ヒラード・ジャパンにてシニアバイスプレジデント/パートナー。人事、企業変革、レピュテーションマネジメント、グローバルコミュニケーションなどに関するコンサルティングに従事。2006年より多摩大学大学院教授を兼務。2017年ライフシフト社を創業し、ライフシフト大学を開校。東京大学教養学部卒業、オックスフォード大学経営学修士修了。
コロナ禍によって露呈したものの一つに、日本のデジタル活用の遅れがある。「世界に比べて周回遅れのデジタル後進国」との手厳しい声も上がるほど、行政も民間も混乱していた。なぜ、日本はこれほどまでに後れを取ってしまったのか。株式会社ライフシフトCEOで多摩大学大学院の教授を務める徳岡晃一郎さんは、企業にも個人にも要因があるとする。
「多くの企業が、従業員の教育をコストと捉えています。だから、できるだけ削りたいと考えてしまうのです。しかし高度成長期ならいざ知らず、イノベーションが求められる今の時代において、従業員教育はコストではなく投資です。将来に備えてかけておくべきお金なのです。こうした責任から目を背けたままの経営が企業の近代化を遅らせ、グローバル化をはばみ、
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