DX人材を育てるリスキリング

デジタルリスキリングとヒューマンリスキリング リスキリングの本質は「学び続ける力」にある

月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2022年08月18日
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日本はデジタル活用において「周回遅れの後進国」との声がある。日本の抱える課題を解決するために、今、必要なリスキリングとは何か。徳岡晃一郎さんは、リスキリングはデジタル領域に限らず、持続可能な社会の構築を目指すヒューマンな領域にも必要であると解説する。リスキリングの2つの方向性と、人材強化の鍵となる戦略について尋ねた。

取材・文◎武田 洋子

企業も個人も消極的 知の再武装に無関心な日本

株式会社ライフシフト CEO 多摩大学大学院 教授・学長特別補佐 徳岡 晃一郎さん
株式会社ライフシフト CEO
多摩大学大学院 教授・学長特別補佐
徳岡 晃一郎さん

日産自動車株式会社人事部、欧州日産などを経て、フライシュマン・ヒラード・ジャパンにてシニアバイスプレジデント/パートナー。人事、企業変革、レピュテーションマネジメント、グローバルコミュニケーションなどに関するコンサルティングに従事。2006年より多摩大学大学院教授を兼務。2017年ライフシフト社を創業し、ライフシフト大学を開校。東京大学教養学部卒業、オックスフォード大学経営学修士修了。

コロナ禍によって露呈したものの一つに、日本のデジタル活用の遅れがある。「世界に比べて周回遅れのデジタル後進国」との手厳しい声も上がるほど、行政も民間も混乱していた。なぜ、日本はこれほどまでに後れを取ってしまったのか。株式会社ライフシフトCEOで多摩大学大学院の教授を務める徳岡晃一郎さんは、企業にも個人にも要因があるとする。

「多くの企業が、従業員の教育をコストと捉えています。だから、できるだけ削りたいと考えてしまうのです。しかし高度成長期ならいざ知らず、イノベーションが求められる今の時代において、従業員教育はコストではなく投資です。将来に備えてかけておくべきお金なのです。こうした責任から目を背けたままの経営が企業の近代化を遅らせ、グローバル化をはばみ、脆弱ぜいじゃくセキュリティや骨抜きのガバナンスといった結果を生じさせています。これらはいずれも経営が見える化されないと実現できない領域であり、デジタルの弱さに起因しています。一方で個人の方も、新しい技術を学ぶことに非常に消極的です。ここに、OECDによる『高等教育機関への25歳以上の入学者の割合』(図表1)を表すデータがありますが、日本は27か国中下から2番目で2.5%、平均の16.6%に遠く及びませんでした。日本人が、学校を卒業して就職したあともあらためて勉強し直す『知の再武装』に無関心であることがうかがえる数字です」

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