休暇の推進と残業の削減が人材定着の鍵に 中小企業白書が示す、組織戦略とバックオフィスDX
月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2026年04月24日
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経済産業省の中小企業庁は4月24日、「2026年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要」を公表した。物価高騰や慢性的な人手不足、それに伴う賃上げへの対応が企業経営の重い課題となる中、本白書では人材を定着させるための具体的な労務管理の手法や、労働生産性を高めるためのデジタル化・社内研修の有効性を示すデータがまとめられている。
賃上げの限界と人材定着に直結する「労働環境の見直し」
2025年の春季労使交渉において、中小労働組合の賃上げ率は4.65%と前年を上回る高い水準を記録した。一方で、中小企業の労働分配率(生み出した付加価値のうち人件費に回す割合)はすでに8割に近い水準に達しており、大企業と比べてこれ以上の持続的な賃上げ余力は極めて厳しい状況にあることが指摘されている。
単なる「給与の引き上げ」だけで人材を引き留めることが難しくなる中、データからは定着率の高い企業の特徴が浮き彫りになった。人材定着率が高い中小企業は、給与だけでなく以下の労働環境改善に積極的に取り組んでいる傾向が確認された。
- 賃金・賞与の引き上げ(55.3%)
- 柔軟な働き方の導入(49.8%)
- 社内コミュニケーションの活性化(44.9%)
特に「従業員の残業時間が減少している企業ほど定着率が高い」という強い相関関係が示されており、小規模事業者においても約7割が有給休暇の取得促進などの労務管理に着手している。待遇改善と働きやすさの両輪を回すことが、人材流出を防ぐ防御策となっているとみられる。
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