総務の引き出し(税務)

2026年度税制改正大綱のポイントを解説 「年収の壁」引き上げや食事補助の非課税枠も拡充

田中税務会計事務所 所長 田中 利征
最終更新日:
2026年01月23日

2025年12月19日、2026年度(令和8年度)税制改正大綱が与党によって発表されました。今回の税制改正大綱では多岐にわたる重要な改正項目があり、個人の所得税、資産形成、企業支援など、さまざまな分野に影響を及ぼします。本稿では、主な改正点について解説していきます。

個人所得課税編

年収の壁の引き上げ

所得税の「年収の壁」が、2026年(令和8年)から、160万円から178万円へと引き上げられます。

「年収の壁」は、基礎控除+給与所得控除の合計額となりますが、現行では160万円(基礎控除95万円+給与所得控除65万円)まで非課税のところ、今回の改正により基礎控除の上乗せが拡大し、非課税枠は178万円となります。

注意すべき点は、税制上の壁は広がっても、社会保険の壁(106万円・130万円)は変わらずに存在することです。年収106万円を超えると企業規模や勤務条件によって社会保険加入義務が発生し、年収130万円を超えると扶養から外れ、保険料負担が増えることになります。

制度 壁の目安 新制度実施開始時期
所得税 年収178万円まで非課税 2026年1月~(税制改正)
社会保険(106万円) 月収約8.8万円以上+週20時間以上
従業員51人以上
2026年10月以降
企業規模の条件廃止予定
社会保険(130万円) 年収130万円超で扶養から外れる 引き続き現行基準維持

基礎控除・給与所得控除の見直し

基礎控除
2026年から、所得税の基礎控除が物価上昇に連動して見直されることになります。具体的には、直近2年間の消費者物価指数(総合)の上昇率を踏まえ、原則(本則)58万円から62万円へ引き上げられます。

2026年からの所得税の基礎控除額の変更
合計所得金額 現行(2025年) 改正後(2026年)
2350万円以下 58万円 62万円
2350万円超2400万円以下 48万円 48万円
2400万円超2450万円以下 32万円 32万円
2450万円超2500万円以下 16万円 16万円
出所:筆者作成

給与所得控除
給与所得控除の最低保障額が、基礎控除と同様の仕組みで2026年から、65万円から69万円へ引き上げられます。

各種合計所得金額要件の変更
基礎控除や給与所得控除の見直しに合わせて、各種控除の対象となる「合計所得金額要件」も2026年から増加します。

具体的には、次の通りです。

(1)同一生計配偶者及び扶養親族の合計所得金額要件58万円以下 → 62万円以下
(2)ひとり親の生計を一にする子の合計所得金額要件58万円以下 → 62万円以下
(3)勤労学生の合計所得金額要件85万円以下 → 89万円以下
(4)家内労働者等の必要経費に算入する金額の最低保障額65万円 → 69万円

本改正により、配偶者控除や扶養控除の適用判定に用いられるボーダーラインも見直 され、パートやアルバイト収入が多少増額しても扶養対象から外れにくくなるよう調 整されます。

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

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プロフィール

田中税務会計事務所 所長
田中 利征

税理士、経営コンサルタント、起業家サポートセンター代表、クリートジャパン株式会社取締役、戸田市経営アドバイザーも務める。「ピクシス(現・コラボ)わくわく・らんらん財務会計」の開発中心者。講演、著書多数。

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