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企業型確定拠出年金(企業型DC)は、会社が毎月掛金を積み立て、会社の従業員である加入者が年金資産を自ら選択した金融資産で運用する制度です。その運用成績によって、将来の退職時に受け取る額が変動することになります。
今回は、企業型確定拠出年金について知っておくべきことをわかりやすく説明します。
企業型確定拠出年金とは
企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)とは、企業が掛金を毎月積み立てて拠出し、加入者となる従業員が自己責任で年金資産の運用を行う企業年金制度です。
企業型DCには選択型企業DCという制度もあります。選択型企業DCとは、従業員が企業型DCに加入するかどうかを自ら選択できる制度です。この制度では、企業が拠出する掛金を、企業型DCの掛金にするか、給与への上乗せで受け取るかを従業員が選べることになります。従来通り給与として受け取ると税金や社会保険料が差し引かれます。
掛金として受け取る場合は税金がかからないため、老後の資金として生かすことを考えた場合、税金や社会保険料のかからない企業型DCで掛金を運用していく方が有利になります。企業型DCに拠出せず、全額給与として受け取る場合は、給与額から控除される社会保険料は上がるかもしれませんが、将来の老齢厚生年金は増える可能性が高いと思われます。その場合は、自主的にiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用するという方法などを検討すべきでしょう。
掛金と運用・受け取り
(1)掛金の額の決め方
一般的には掛金の額は会社での役職等に応じて決まります。ただし、企業型DCでは掛金の上限額が以下の通り定められているため、この上限額を超えて掛金を出すことはできません。
- 他に企業年金(厚生年金基金、確定給付企業年金など)がある場合 月額2万7500円
- 他に企業年金(厚生年金基金、確定給付企業年金など)がない場合 月額5万5000円
なお、2025年度税制改正により、企業型DCに関して、老後資産形成の選択肢を広げ、さらなる節税効果を高めるため、見直しが行われました。その中で、企業型DCの拠出限度額について、月額5万5000円(※)から月額6万2000円(※)への増額改正(引き上げ)が見込まれています。引き上げ時期は、2027年1月を予定しています。
※ 確定給付企業年金制度加入者の場合は、確定給付企業年金ごとの掛金を控除する
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