2022年4月より「改正女性活躍推進法」が施行され、中堅・中小企業にまで対象が拡大する。「女性が輝く職場づくり」を実現するためには、女性の健康課題解決の取り組みが不可欠だ。何から取り組めばいいのか、専門家にお話をうかがった。
取材・文◎宮本 優子
女性特有の健康課題に対する認識と対応
代表取締役社長 芥川 奈津子さん(左)
1998年より健康管理センターの営業・コーディネーターとして企業の健診および労務問題のコンサルティングに従事。2005年に森正三氏、塩谷賢一医師とともにさんぎょうい株式会社を起業し、専務取締役に就任。2018年より一般社団法人産業保健協議会理事、2019年より現職。
働く女性の健康とキャリア事業室室長 阿曽 泰三さん(右)
大手広告会社で海外営業、海外・国内事業統括組織などを経験し、定年前の3年半は健康保険組合に出向。定年退職後、さんぎょうい株式会社に入社。働く女性の健康とキャリアプログラム「mezame」と、企業のシニア人材の活性化をはかるプログラム「Nシニア」の事業責任者を務める。
経済産業省は2018年1月、女性が抱える健康課題や勤務先での実態を把握する目的で、「『働く女性の健康推進』に関する実態調査」を実施した。その結果、女性社員の約5割が女性特有の健康課題などにより職場で困った経験があると回答。そのうちの多くが月経痛や月経前症候群(PMS)によるものだった。他方、管理者では3割以上が女性特有の健康課題への対処に困っていると回答。最も多かったのはメンタルヘルスだった(図表1)。
また、2021年12月に『月刊総務』が実施した調査では、「女性特有の健康課題について、解決すべき問題があるか」という問いに対し、「とてもある」(19.2%)、「ややある」(56.2%)と、問題があると認識している人が7割を超えた。女性の健康課題は、今や経営課題として見過ごせないテーマであることは自明の理だ。その一方、「女性特有の健康課題に対して、会社として取り組んでいること」では、「生理休暇」「産休・育休明けの女性社員のサポート」「相談窓口の設置」などが挙げられたが、1割超は「取り組んでいることはない」と回答している(図表2)。
この1年、PMSがマスコミでたびたび取り上げられるなど、急速に「女性特有の健康課題」が注目されるようになったのは、どのような背景からなのだろうか。産業医の紹介から社員の健康管理まで、企業の労働安全衛生活動をフルサポートする、さんぎょうい株式会社の代表取締役社長、芥川奈津子さんは、政府のあと押しもあり、さまざまなものが線としてつながり業界自体が活性化してきていると説明する。
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