適正価格を見極め、大幅なコスト削減を! オフィスの原状回復

オフィスの原状回復工事費用を適正にするための手順

株式会社プロレド・パートナーズ コンサルティング本部 工事/建材グループ 事業統括マネージャー 本多 恵太
最終更新日:
2022年09月02日
soumu220902100

オフィスを移転する際、借りていた物件を入居前の状態に戻す「オフィスの原状回復工事」が法律で義務付けられています。ここでは、原状回復工事費用を適正にするための手順をご紹介します。協議に使用できる期間が極端に短い場合等イレギュラーな場合を除き、基本的には1~3の順に行います。

1.工事範囲と区分の確認

テナントが負担すべき工事は前述した工事区分におけるB工事とC工事だけになります。まずはA工事がテナントの負担範囲に入っていないかを確認しましょう。

適正価格にするためには、通常損耗の範囲を超えた要求をされていないか、工事が必要だとしても、オーナーの指定業者に頼まずに自社で発注できる工事範囲がないか、という観点から工事見積書、賃貸借契約書、図面(あれば入居時のオーナーとのやり取りの記録や入居時の写真等も)といった資料の確認が必要です。

管球の清掃程度が妥当にもかかわらず管球の交換を要求される、床のタイルカーペットの交換だけではなく、OAフロア(床下に配線を通すための床のかさ上げ材)の交換やOAフロア下の清掃費まで要求されるといった、建設業界での就業経験がないテナントの担当者からすると、一見妥当な「本来テナント負担とならない工事内容」について見積書に計上されることがあります。

オーナーとしては、自社で費用負担をする必要がないので、よりきれいな状態にすることで次の入居者が決まりやすくなり、賃料にも影響するのであれば、原状回復工事のタイミングでテナント負担工事に振り分けてしまいたいと考えます。

また、施工者としても長く付き合うオーナーに協力しないわけにはいきませんし、確実に工事契約を締結してもらえるテナントへ請求してしまった方が売り上げを伸ばすことができるので、本来ならオーナーが負担する範囲であったとしても、テナントへの原状回復工事の見積書に含めて提示してしまうことがあります。

続きは「月刊総務プレミアム」をご契約の会員様のみお読みいただけます。

  • ・付加価値の高い有料記事が読み放題
  • ・当メディア主催の総務実務の勉強会や交流会などのイベントにご優待
  • ・「月刊総務デジタルマガジン」で本誌「月刊総務」も読み放題
  • ・本誌「月刊総務」も毎月1冊、ご登録いただいたご住所にお届け
  • ・ノウハウ習得・スキルアップが可能なeラーニングコンテンツも割引価格でご利用可能に

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

k-honda_pro

株式会社プロレド・パートナーズ コンサルティング本部 工事/建材グループ 事業統括マネージャー
本多 恵太

積算事務所、大手建設会社にて、公共建築の工事価格算出(=積算)、現場での施工、積算ツールの開発、設計図書のチェック等に携わる。PAQS(アジア太平洋積算士協会)におけるYQS(40歳以下の部)の副会長など、建築にかかわるさまざまな経験を生かし、現在はプロレド・パートナーズにて工事費用の適正化を行うチーム長を務める。

関連記事

  • 「働きがいのある会社」トップ企業のハイブリッドワークの形 戦略総務を実現できるデバイスとは? PR
  • コスト削減だけじゃない! 働き方が変わり、コミュニケーションも生まれる「照明」のすごい効果 PR
  • 災害への備えは平時から。企業の防災担当者を強力にサポートする東京都のサービスとは PR

特別企画、サービス