雇用保険料率が8年ぶり引き下げ、4月から1.45%に コロナ禍の収束で雇用情勢が上向き

月刊総務 編集部
最終更新日:
2024年12月24日
photoAC_2214771_20231227

厚生労働省は12月23日に開いた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の雇用保険分科会で、労使が払う雇用保険料に関し、現行の料率1.55%を来年4月から0.1ポイント引き下げて1.45%とすること案を示し、了承を得た。

雇用保険料率が下がるのは、コロナ禍を受けた雇用保険財政の悪化が経済回復に伴い収支改善したためで、引き下げは2017年度以来、8年ぶり。育児休業の際に使う「育児休業給付」と、雇用調整助成金などに充てる「二事業」の料率は維持する。

「弾力条項」該当 法改正なしで料率引き下げ可能に

現在の雇用保険料率は1.55%で、内訳は失業等給付が0.8%分、育児休業給付が0.4%分、二事業が0.35%分となっている。失業等給付と育児休業給付は働き手と企業が折半して負担し、二事業は企業のみが支払っている。

雇用保険には失業時に生活を支える「失業等給付」をはじめ、育児休業を支援する「育児休業給付」、失業予防や職業訓練などを担う「2事業」など全部で三つの柱があり、保険料率は法律で原則を定めているが、法改正がなくても積み立て規模などの条件に応じ一定範囲で料率を変更できる弾力条項がある。

法律では失業給付の保険料率は0.8%と定められているが、弾力倍率が基準を超える場合は0.4%まで引き下げることが、基準を下回る場合は1.2%まで引き上げることが可能だ。

また、育児休業給付も、2025年度から保険料率を現在の0.4%から0.5%に引き上げる一方、実際の保険料率は弾力倍率が基準を上回る場合は0.4%に引き下げることが可能な仕組みが導入された。

今回、雇用保険の料率の引き下げが可能となったのは、2023年度決算を踏まえた弾力倍率は2を超えており、2025年度の保険料率は、現在の0.8%から0.4%まで引き下げが可能な状態となったためだ。

失業保険は引き下げ、育児給付は据え置きに

続きは無料の会員登録後にお読みいただけます。

  • ・組織の強化・支援を推進する記事が読める
  • ・総務部門の実務に役立つ最新情報をメールでキャッチ
  • ・すぐに使える資料・書式をダウンロードして効率的に業務推進
  • ・ノウハウ習得・スキルアップが可能なeラーニングコンテンツの利用が可能に

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

g-soumu-editors-portrait-webp


月刊総務 編集部

パンデミック、働き方の変化、情報技術への対応など、今、総務部門には戦略的な視点が求められています。「月刊総務オンライン」は、そんな総務部門の方々に向けて、実務情報や組織運営に役立つ情報の提供を中心にさまざまなサービスを展開するプラットフォームです。


関連記事

  • 何となくで選んでない? 実は重要なオフィスの「照明」。空間に合った明るさや色味が与える効果 PR
  • 「交通事故ゼロ」を目指して 社員の安全運転意識の向上や事故リスクの低減に取り組む企業を表彰 PR
  • エンゲージメントを高めるオフィスの条件とは? 事例から学ぶトレンドを押さえた空間づくり PR

特別企画、サービス