エン・ジャパン株式会社の総務部は、社内で広く認知され、尊敬を集め、社長賞を受賞する社員も多い。他部門からの異動が多いというが、いかにしてチームをつくり、実績を積み上げているのだろうか。業務の領域や個々のモチベーションとの接点などを、今村明則さんにうかがった。
取材・文◎武田 洋子
アクティブかつスピーディー
社員の採用や教育、評価など、人材関連のサービス事業を展開するエン・ジャパン株式会社は社員約1,400人、海外やグループを含めれば約3,000人が働いている。その中で総務は、会社の変化・成長の下支えをし、社員に対しては安心・安全な環境を提供する役割を担う。総務部の今村明則さんに、具体的な業務を尋ねた。
今村 明則さん
「まずはオフィスファシリティです。コロナ禍以前から当社は著しいスピードで成長しており、レイアウト変更も頻繁に行われていました。2020年にはリモートワークの推進によりオフィススペースを約半分に縮小。在宅ワークのフォローアップ、各種申請書類のペーパーレス化、バーチャルオフィスの導入を加速させています。あとは感染対策や健康診断、人間ドックといった社員の健康管理、3か月ごとの全社総会(キックオフ)や株主総会の運営に加え、関連会社の総務サポート、BCPの準備もわれわれの領域です。会社も、それを取り巻く状況も常に変化していますから、既存の業務だけでなく、これから必要になる業務を先回りして行う『先回り力』を意識しています」
ちなみに、同社における健康診断の受診率は100パーセントだ。この数字は巻き込み力の高さを裏付ける。社内でも「アクティブ」「スピーディー」といわれる機会が多いといい、全社総会で、これまで何人もの総務部員が社長賞を受賞するなど、裏方というよりは経営の土台づくりに欠かせない存在として認識されている。
正当な評価の背景には、総務が実践する2つのこだわりがある。1つは、成果の数値化だ。総務の業務は数字に置き換えることが難しいが、今村さんはコスト削減できた額を売り上げに換算してみることで、貢献の実感を得やすくするための工夫をしている。もう1つは、社員の参加率だ。健康診断の受診率、災害時の安否報告訓練参加率、eラーニングの受講率、いずれも100パーセントを目指している。もちろん、ただお願いするだけで全社員が行動してくれるわけではない。
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