経営トップの緊急交代……「もしも」に備えて! サクセッションプランニングを形骸化させない工夫
アクセスランキング
前回はサクセッションの運用強化について、サクセッサー(後継者)候補の選定と育成、最終候補者の指名と任用までのフォローについて紹介しました。今回は継続的なサクセッションプランニングの実施に向けて、後継者プールを構築・運用する進め方を紹介するとともに、より実践的・実際的な運用を意図したサクセッションプランニングの工夫について説明します。
サクセッサーの選抜や任用に向けた育成にはかなりの時間を要し、限られた期間でのタイムリーなアサインは難しいのが現実です。しかしながら、任用に向けていつも十分な検討時間が確保できるわけではありません。現任者の不幸や病気、不祥事などにより緊急での交代が迫られる場合に備えたプランを常に考えておくことや、継続性のある施策となるように十分なタレントプールを構築・運用することが重要です。
各リーダーレイヤーでの後継者プールの構築・運用
経営層に求める要件は多岐にわたることが多く、かつそれぞれの要件を獲得・強化できる機会はたくさんあるわけではありません。たとえば、求める要件として「強靭なメンタル:危機的な状況においてもプレッシャーに負けずに冷静な判断を下せる精神力」を設定し、それを培うタフアサインメントとして「不採算部門・不振事業等からの撤退や立て直し」が望ましいとしたとしても、社長・CEOやCxOに向けたサクセッションプランニングにおける限られた期間の中では、タイムリーにアサインすることはかなり困難です。
そのため、経営層へのサクセッションプランニングの対象となる本部長・事業部長レイヤーだけでなく、部長や課長レイヤー、可能であれば主任レイヤーまでの多階層で、将来経営層として活躍することが期待されるハイポテンシャル人材プールを構築・運用し、経営層に求められる人材要件の獲得につながるタフアサインメントを意図的・計画的に行い、中長期視点で育成を進めることが望まれます。
(1)各階層のポテンシャル人材の選抜とプールイン
経営層に求める人材要件に沿って、各階層におけるハイポテンシャル人材を選抜するための基準とプロセスを設計します。当然ながら下位レイヤーほど要件に沿った実際の経験は少なくなるので、知識やスキルよりも、スタンス面を重視することになります。
階層別にハイポテンシャル人材プールを構築している企業でよくありがちなのが、そのレイヤーにおける上位10%などの基準を設け、各部門から候補者を推薦させるやり方です。従業員数規模にもよりますが、この進め方だとプールする人材の数がどうしても多くなり、選抜後の育成は各部門任せとなって、個々人に対する経営層やコーポレート人事の理解もごく表面的なものとなりがちです。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。