お辞儀ハンコ、Web会議の入室順……「謎マナー」は本当に必要? 令和のビジネスマナーを考える
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ビジネスマナーは、かつては「型を守ること」が重視されていましたが、令和の時代においては、相手への配慮と柔軟性がより重要な要素となっています。ビジネスマナーの本質を理解した上で、令和の働き方に合ったビジネスマナーとは何か、3回にわたり解説していきます。今回は、ビジネスマナーの在り方についてです。
マナーとルールの違い
ビジネスの現場では、「マナー」と「ルール」が混同されがちですが、この2つは本質的に異なるものです。
ルールとは、組織や社会の中で定められた明確な決まりごとです。就業規則や社内規程、法令などがこれにあたります。守らなければならない基準が明文化されており、違反すれば注意や処分の対象となることもあります。ルールは、組織の秩序や公平性を保つために不可欠なものです。
一方、マナーは、相手を不快にさせないための配慮や心遣いを形にしたものです。必ずしも文書で定められているわけではなく、状況や相手によって最適な行動が変わります。名刺交換の仕方や言葉遣いなども、根底にあるのは「相手への敬意」です。
重要なのは、マナーはルールのように「守らせるもの」ではなく、「考えて実践するもの」だという点です。マナーを守っていれば問題がない、という考え方だけでは、円滑な人間関係や信頼関係は築けません。
マナーを日本語に置き換えると「礼儀」になります。「礼」は相手を思いやる心を指し、「儀」はその心を表すための型や形を意味します。つまりマナーとは、相手への思いやりの気持ち(心)を、言葉や行動といった形で表すことなのです。
ここで気を付けたいのが「儀礼」になってしまわないことです。型・形が先に立ち、心が伴わなければ、それは本来のマナーとはいえません。儀礼は形さえ整っていれば、その場をやり過ごすことができてしまうからです。相手に心を寄せていない態度は、無意識のうちに言葉や振る舞いに表れ、相手にも「心がない」「形式だけの対応だ」と伝わってしまいます。
マナーで忘れてはならないのは、相手を思いやる心です。その心があってこそ、型や形は意味を持ちます。相手を思いやった上で、それを適切な言葉や行動として表すことこそが、最も大切なことなのです。
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