最終更新日:2010年03月04日
退職金は、その制度を設けるのであれば就業規則に定めなければならない。しかし、賃金規程と同様に就業規則本則では規定をおかず、別規程とする場合が多い。
退職金には一般には賃金の後払い、功労報奨、生活補助などの性格をあわせもつとされているが、具体的にはその計算基礎を基本給におくもの(基本給連動制)、別に支給表を定めるもの(別テーブル制)、職務遂行能力などによってポイントを累積するもの(ポイント制)などがあり、明確に規程を定める必要がある。
また、賃金と同様男女別に支給を定めることは法令違反となる。結婚退職や出産退職を支給事由とすることも、それを理由とした退職を勧誘することとなるために違法である。
具体的には、以下の事項を定めなければならない。
(1) 適用される労働者の範囲・・・正社員のみとするのが通常である。
(2) 退職金の決定・・・必要とされる最低勤続年数、退職事由による区別などを定める。
(3) 計算の方法・・・計算基礎を何にし、どのような計算式により金額が計算されるのかを定める。また、懲戒事由による減額・不支給を定めるのであれば、これも明記しなければならない。
(4) 支払いの方法・・・退職金は現金で支払うほか、従業員の同意を得て銀行口座などへの振込、金融機関振り出しの小切手(自社の当座預金は不可)、郵便為替による支払いが認められている。
(5) 支払い時期・・・一時金であるならば、賃金と違って「何日に支払」という具体的な定めは不要。ただし、いつ支払うのかという時期については定める必要がある。
(執筆:有限会社人事・労務 代表 矢萩 大輔)
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