組織を企業目的に適合させ、効率的に運営するにはその分担すべき職務、行使すべき権限を明確にすることで日常業務を円滑に遂行し、また、非日常的な業務が発生したときも迅速・的確に処理するためにも組織に関する規程が必要である。
比較的大きな規模の企業でなければ、作成しているケースはあまり見られないし、会社組織については成文化した規程がなければ管理・運営ができないわけではない。しかし、組織管理は会社の運営にとっては背骨に当たるようなものである。ルールも基準もなく運営していると、やがて経営意思が分散し、統一性を欠くものとなってしまう。企業規模が一定以上になったとき、あるいは支店、営業所の開設など組織が地理的に分散するようになったときなどには、できるだけ速く組織管理に関する規程類を定めるのが望ましい。
また、組織は会社の実態や時代に合わせて随時改変をすべきものであるが、急激な組織改変は従業員に混乱を招くこともある。それを防ぎ、常に組織を適切に運営するためにも組織管理規程類の整備は不可欠である。
組織規程は組織の管理運営の基本であり、大綱となるべきもので、指揮命令系統を明らかにし、それぞれの業務分掌や責任体制を確立するものである。
その作成ポイントは以下の通り。
職務権限規程は、課長や部長などの会社の主な職位についてその権限を定めたものである。それぞれの職位のなすべき職務と責任、権限の範囲を明らかにし、その責任体制の下で職務を積極的に遂行することを目的とする。
その作成ポイントは次の通りである。
*職務権限表の一形態として、購買権限表がある。
稟議とは業務遂行にあたって自分の権限を越える事項について、決定権のある人の承認をえることである。まだ組織が確定していない会社、あるいは小規模な会社では職務権限規程の代替としても意味づけられていることがある。
その作成ポイントは次の通りである。
(監修者:社労士事務所ライフアンドワークス 社会保険労務士/介護福祉経営士 角村 俊一)