正社員の就業規則では、パートタイマーの従業員は適用除外とし、その労働条件を正社員と区別するためにパートタイマーの就業規則を作成しなければならない。仮に作成しなかった場合は、正社員の就業規則が準用されるケースもあるので、大きなトラブルとなることも予測される。
特に最近ではパートタイマーとされていても、所定労働時間が正社員とほとんど変わらなかったり、契約期間を定めていても更新により勤続年数が長い労働者が増えてきている。パートタイマーとしての地位や身分、処遇に関しては明確に規程として定めることが必要である。
なお、「短時間労働者の雇用の改善等に関する法律」(以下パート労働法)によればパートタイマー向けの就業規則作成においては、パート労働者等の意見を聴取することが望ましいとされている。
パートタイマーの就業規則作成にあたっては、正社員と違う部分、正社員と同様または同等の部分を明確にする必要がある。
パート労働法では、パートタイム労働者とはその会社の通常の社員と比較して1週間の所定労働時間が短い者をいう。
パートタイマーであっても始業・終業の時間を定めなければならない。ただし、実態としてその時間が画一的に定められない場合には、基本となる始業・終業の時間だけを明示し、個別契約に委任する規定を定めればよい。
その所定労働日数または時間によって、有給休暇日数が定められている(有給休暇の比例付与)。
契約期間途中で解雇するときは、正社員と同様に解雇予告または予告手当の支払いが必要である。また、数度にわって契約期間を更新しているときは、雇止にあたってはやはり30日以上前に通告することが望ましい。
期間の定めがない場合、契約更新によって1年以上雇用されている場合で、週の所定労働時間が通常の社員の4分の3以上であるパート労働者には正社員と同様の健康診断を実施しなければならない。
(執筆:有限会社人事・労務 代表 矢萩 大輔)