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若年社員の早期離職を防ぐために、上司が気を付けておきたいことは?(第8回)

2013年10月01日

前号では、研修現場において『上司のようになりたくない』という部下が急速に増えてきているというお話をいたしました。

今号ではいい意味でも悪い意味でも、上司の部下に対するスタンスが如実に出る場面を考えます。


■上司の上司への態度で、部下へのスタンスが見える

上司の上司、つまり、一般的に言うならば、主任が係長に、係長が課長に、あるいは課長が部長にと、直属の上司に部下のことについて話をする場面を考えてみます。

マネジャー研修であるケース(たとえば自分の部下に任せている仕事の進捗状況を上司に報告するケースなど)を想定したロールプレイングをさせることがあります。
そうすると、たいてい下記のパターンのいずれかが散見されます。


パターン①『事実を正確に伝えない』

特に状況が思わしくないときにこのケースが散見されます。
誰しも、「良い報告」よりも「悪い報告」は心情的につらいものです。
ただ、事実を隠ぺいしようとしても、ちょっとした表情の変化や言葉の行間で、何となく相手には伝わるものです。
たとえ、言いにくい内容であっても事実は事実として正々堂々と伝える姿勢が必要です。そしてそのときに、「部下のせい」と一方的に状況が良くない理由を部下に押し付けている上司は最悪です。部下のミスは上司のマネジメントが悪いからということを前提に話をすることが求められるのです。


パターン②『事実から推察する状況判断が出来ていない』

事実は伝えるが、その事実から何を察知するのか?状況判断をしたり、分析する力が必要です。

「〇〇という事実から私なりに、今後□△□△ということが起こり得ると考えます」
とか「今回のことを招いた要因としては×××のことが推測できます」

などと、事実を客観的に捉え、自分なりに解釈したことを伝えます。
そのときに、上司のスタンスとして求めたいのは、「あまりにも客観的になり過ぎない」ということです。

つまり、あたかも他人事のように、解説家風、評論家風で報告するのではなく、自身がどのように関わって来たのか?あるいは関わっていくべきなのかという観点も盛り込みながら話を進める事が必要です。

「今回招いた要因として、自身の関わり方にも問題があったと感じています。今後はある一定の権限委譲はしつつも、適度な介入は図っていくべきだと考えています」
などと、常に自身のマネジメントを意識して話をすることを心がけましょう。


パターン③『上司に提言する勇気が持てない』

最も大切なことは、今後どうしていくのか?チームとしての方向性を見出せているか?
両者で建設的な意見が交わされるかがカギとなります。

「これからは、このようにしていきたいと考えています。つきましては●●長(直属の上司)のサポートをお願いしたいと考えています」

と周囲に協力を促したり、必要なリソースを求めるような積極的な「提言」をしていく姿勢が必要です。
ここでも重要なことは、あなたが主語になることです。
決して「部下がやります」と部下に一方的に「やらせる」姿勢ではいけません。


■そのやり取りを部下が見ていると仮定する

この場面(直属の上司とのやり取り)を仮に別室でモニター画面を通して、部下が見ていたとしたら、果たしてその部下はどのよう印象を持つかを考えて欲しいです。

自分のことを一生懸命にかばおうとする頼もしい上司に見えるのか?
自身の保身のみを念頭に置き、上司に懸命に媚へつらう姿と映るのか?
はたまた、他人事のように、評論家的な、我関せず型、冷酷な姿と映るのか?

その姿こそが、あなたのマネジャーとしてのスタンスそのものと言えるのです。
そして、そのような姿は、あなたが気付かないうちに、すでに部下には伝わっているのかもしれません。
それが「スタンス」というものなのです。

田原 洋樹
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