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ここがポイント ―中小企業の採用戦略
第19回:内定者フォローの進め方(2)

2014年01月30日

前回から続けて、内定者フォローの実施にあたっての注意点についてお伝えしようと思います。


■「心の準備」をする大切な切り替え期間

 近年の学生さんたちの就職活動は、非常に厳しいものがあります。本当にいろいろな苦労をして、ようやく内定を手にしています。厳しいがゆえに、内定した時の達成感、安心感は非常に大きなものがあります。

 ただ、内定は就職活動ではゴールですが、仕事をするということでいえば、そのスタートラインにつく権利を得ただけです。

 ある大手企業の担当者に伺ったのですが、最近の内定者の中には、就職活動を勝ち抜いて、大手企業の内定を手にした"就職活動の勝者"として、そこで満足して燃え尽きている人がいるのだそうです。

 なかなか入れない大手企業ならではのお話かもしれませんが、厳しい就職活動をくぐってきているがゆえに、その後の切り替えがしづらい傾向は、どんな企業でも多かれ少なかれあります。ですから内定期間というのは、学生から社会人へ、求職者から社員へという「心の準備」をしてもらう上で、とても重要な期間になります。以前よりもさらに重要さは増しているといえます。

 「心構えなんて自分でするもの」という認識の採用担当の方もいらっしゃいますが、社会人生活がまだまだ空想の世界にある内定者に対して、自分だけで準備をしろというのは、やはり酷だと思います。

 内定者フォローというのは、期間が限定されているので、やらなければやらないで過ぎてしまいますし、効果もイマイチ評価しづらいことから、優先順位が低くなりがちですが、こんな時代だからこそ、まだ学生という立場である内定者の「心の準備」を手助けすることも、会社の大切な役目なのではないかと思います。あまり軽く見ていると、痛い目にあうことがあるかもしれません。


■何をどこまでやる?ーまずは目標設定が先決

 かつては、内定者"フォロー"ではなく、内定者"拘束"と称して、自社以外の就職活動ができないように、会社のおかかえで豪華な旅行に連れ出したり、接待まがいのことを繰り返して、文字通り拘束することだけが目的のような時代がありました。

 入社前の学生が会社からそんな対応をされたとしたら、普通は舞い上がってしまうでしょうし、「会社ってこんなもんだ...」と無意識のうちに刷り込まれ、甘く見てしまうでしょう。

 しかし一旦入社すれば仕事の厳しさには確実に遭遇しますから、入社前後のギャップの大きさに驚き、そのあまりの違いに適応できなかった人もたくさんいたのではないでしょうか。

 これは、会社側の一方的な都合で内定者への対応はしていたけれど、内定者にとっての入社前の準備、ということにはほとんど役に立っていなかったということです。

 内定者フォローというのは、要は入社前にどんな準備をさせるか、してもらうかということです。役に立つ準備でなければ無意味ですし、その考え方や内容は、業種や職種や企業風土など、会社によって異なります。

ですから内定者フォローを行うにあたっては、自社として何を目標にして、それをどこまでやるかをいう目標設定が重要になります。心の準備なのか?スキル習得なのか?何をどの程度まで目指すのか? それさえ明らかにすれば、実施する内容というのはおのずと決まってくるだろうと思います。

 何をやろうかと実施企画ばかり考える前に、まず目標をはっきりさせ、それを会社全体で共有することが大切になってきます。

小笠原 隆夫
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