コラム

総務 / コストコントロール / 出張旅費

出張旅費管理の新潮流
第12回:ステークホルダーサーベイ

2016年12月22日


 これまで12回にわたりトラベルプログラムの導入検討、旅行業務外部委託競争入札、業務内容覚書と契約、業務開始準備、トラベル危機安全管理、国際航空券仕入れ交渉などについて説明してきました。今回で本コラムは最終回となります。これまでご愛読いただいた読者のみなさんに感謝します。

 今年は地方自治体の議長、議員の政務調査費不正が一般化していることが大きく報道されました。仮に地方自治体がBTM(ビジネス・トラベル・マネジメンント)を導入していたら、まずこうした問題は起こりようがないという点に総務の担当のみなさんには着目していただきたいと思います。

 今回は、期中、あるいは年度末に行うトラベルプログラムの内容についてステークホルダーの中心である出張者、出張手続補助者(アレンジャー)によるサーベイについて取り上げます。

■ サーベイ結果を吟味して次へのステップとしよう

 サーベイの手順としては、まずサーベイ回数、時期、対象者、サーベイ告知方法、サーベイ実施手段について、総務、人事部門の担当者と、業務委託をしているTMC(専門旅行会社)の担当者が話し合って合意することが必要です。 

 サーベイ時期がきたら、企業側は業務委託旅行会社にサーベイ対象者、サーベイ目的、目標を提示の上、提案をするように依頼すること。その提案書に盛り込まれる必要があるミニマムの内容は以下の通り。

  • ・サーベイ目標、目的
  • ・サーベイ実施期間、集計所要期間、報告書提出期限
  • ・サーベイ対象とサーベイ実施告知方法、実施スケジュール
  • ・サーベイ媒体 (質問票配布回収、イントラネット上での質問票開示回収など)
  • ・サーベイ結果報告ミーティング


 サーベイで調査してみたい主要項目内容としては以下の通り。

1. 現行の出張手続全体に対する具体的問題点、不満、改善提案
2. 出張規定についての問題点、不満、改善提案
参考:日本企業の多くは出張規定というよりは日当規定というべき内容・レベルのものが多い。海外法人を有す場合はもっと具体的なものにしないと、恣意(しい)的判断の入り込む余地が多く、コスト削減にはつながりにくい面があると感じることが多い。
3. 出張承認方法についての問題点、不満、改善提案
参考:承認者が不在であったり、返答をもらうまでに時間がかかったり、プロジェクト業務での出張時の承認者があいまいなケースが多々あった。救済策となるような承認の仕組みの検討が望ましい。
4. 現行業務委託契約中の旅行会社(TMC)に関する問題点、不満、改善提案
参考:安売り航空券販売は得意だが、総合的な出張管理業務(BTM)の経験不足の感がある旅行会社を利用。BTMとは程遠い現状もまだ存在する。
5. 優先的利用契約先航空会社(プリファード キャリア)の問題点、不満、要望
参考:空港サービス、機内サービス、乗継便、アライアンス航空会社のサービス不足など、出張者からのインプットを取り込む考慮必要性など。
6. 優先的利用契約先ホテル(プリファード ホテル)の問題点、不満、要望
参考:訪問先までのタクシー移動などの経費を考えると高くつくケースもある、TMCとの打ち合わせなどが必要と思われる事例もあり。
7. 出張精算方法についての問題点、要望
参考:出張精算手続きにかける時間、精算業務を担う庶務経理部門のコストも併せて考えると海外企業が導入の経費精算ツール導入の手もある。
8. 危機安全管理の手順、緊急連絡方法
参考:出発前情報入手、伝達、現地での連絡方法、被災地脱出等の面から、スマートフォンの導入、コミュニケーションプログラムの統一などの検討要あり。

 サーベイ結果の分析については、次の2点に留意すること。

(1)現行のトラベルプログラム全体フローの問題点を浮き彫り化できているか
(2)現在契約利用中の航空会社、ホテルの2大主要サプライヤーと手配、発券、データ収集分析、報告を業務とする契約旅行会社(TMC)の評価につながるものであるか

 評価したら、その後改善がなされるまでのフローもしっかりと取り入れることが不可欠です。アンケート結果はイントラネット上、あるいは社内報等で社内のだれもが閲覧できるようにすること。これを継続的にやることが非常に重要です。

 トラベルプログラムの導入を検討してみたいと思った方は、個人コンサルティング事務所BTMA Japanにお尋ねください。

森 栄蔵
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